主人公・ゆかこの息子・こうたは、現在小学1年生。明るくだれとでも分け隔てなく付き合える子に育っていました。そんなこうたは、転校生のともやくんとお友達になります。今日はそのともやくんがお家にやってきますが…。
明るい性格の息子が小学1年生に
私、ゆかこは、ごくごく平凡な主婦です。今年30代になり、夫と、小学校1年生になった息子・こうたとの3人暮らしは、つつましくも穏やかな毎日を送っています。
こうたはわが子ながら明るく良い子で、周りの大人からは「ゆかこさんのお子さんは、いつも礼儀正しくて感心するわ」と褒めていただくことがありました。そんなとき、私は静かに誇らしく思っています。
この春、こうたは小学校に入学し、生活はさらに賑やかになりました。新しい環境でたくさんの友達ができ、放課後にはランドセルを放り投げるようにして遊びに出かける毎日です。
こうたの友達は良い子たちばかりで、わが家に遊びに来ても、きちんと「お邪魔します」「ありがとうございました」が言え、静かに遊んで帰ってくれます。そんなお友達付き合いを、ほほえましく思っていました。
新しいお友達「ともやくん」に違和感
そんな中で1人だけ、どうにも様子がおかしいと感じるお友達がいました。その子の名前は、ともやくん。こうたと同じ1組のクラスにいる男の子です。
ともやくんは、こうたが入学してしばらく経った先月、この地域に引っ越してきたばかり。転校生ということもありしばらくは1人でいたようですが、こうたは積極的にともやくんにも話しかけていたそうで、だんだんと仲良くなりました。
「ママ、ともやくんね、最初はおとなしかったけど、僕が一緒に遊ぼうって言ったら、すごく嬉しそうだった」
と、こうたは誇らしげに話してくれました。
ともやくんはこうたに心を開き、毎日、学校が終わると近所の公園で遊ぶのが日課になっていました。
「ママ、今日ね、ともやくんと鬼ごっこした!」
「ともやくんが、新しいカードゲームを教えてくれたよ」
こうたの弾んだ声を聞いていると、私も自然と笑顔になります。一方、ともやくんを時折近所で目にすると、違和感をおぼえることがありました。夕方、もう暗くなりそうな時間に誰と遊ぶでもなくウロウロしていたり、他人の家の植物や車に触ろうとしていたり…。なんとなく、親に「してはいけないこと」「気を付けるべきこと」を教わっていないように見えることがあったのです。
教育は人それぞれなので、なんとも言えないなと思っていたのですが、その違和感は徐々に大きくなっていきました。

