不倫を認めた浩太に、英麻は綾里をデートに誘うよう命じました。当然、浩太からの謝罪だけでは気が済まない英麻。不倫デートを楽しみにしている綾里が、浩太と一緒に英麻が来た時、どんな反応をするのでしょうか。
不倫デートがそんなに楽しい?
デート当日。集合場所で待っている綾里さんを、少し離れたところから見ている私と浩太。
綾里さんは浩太よりも年上ですが、恋する乙女かの様にキラキラした雰囲気をまとっていました。気合の入ったメイクに露出の多めな服。女の私から見ればあまりにも、女が計算して男を落としに行くときの条件そのもの!というようなスタイリングです。確かに綺麗系な方なので、言い寄られると男性が嫌な気がしないのは理解できますが。
浩太には、綾里さんをこのまま別の場所まで連れてくるように伝えてあります。その場所で私は先に待っていて、三人で話をつけようということにしているのです。かなり気重そうな浩太に最終確認をしていると、浩太の携帯の着信がなりました。相手はすぐそこにいる綾里さんでした。
綾里「あ、もしもし?もう着く?」
浩太「あぁ、うん。もう着く…」
おどおどしながら明らかに動揺している浩太。ざまあみろと思いながら呆れていたのですが、その着信で妙案を思いつきました。
浩太「じゃあ、もうちょっとで着くから…」
綾里「はぁ~い」
浩太は綾里さんとの通話を切り「こういう形はやめない?」と弱弱しくねだってきましたが、私は断固拒否です。
英麻「無理。むしろ遊んでただけでそういう関係じゃないなら、今日の会話で証明したらどうなの?」
そう言う私に、溜息をつき、綾里さんのもとに向かう浩太。スマホはスピーカー状態にさせたまま、ポケットに入れさせました。
英麻「このまま繋いでて?会話全部聞いてるから」
私がここまでするのは意外だと思ったのかは分かりませんが、浩太の心が泣いているのが分かるくらいには、かなりしょぼついた顔をしていました。全ては自身の招いた行動、反省してもらうにはこれくらい言うことを聞いてもらわなくては。
男好き女の特徴
浩太「すみません。待たせました」
綾里「あ~!全然っ!初めて誘ってくれて嬉しかったから、私が早く着いちゃっただけ」
その後「そういう関係の大人がしそうな会話」を繰り広げながら歩く2人。正直、気持ち悪いと思いました。綾里さんはつくづく、夫から自分に好意があると信じ切っていると思いました。実際、夫もノリノリだったんでしょうけど。
浩太は約束通りそういうホテルの前まで綾里さんを連れて来ました。綾里さんのまんざらでもなさそうな、明らかにトーンがアップした声音がいっそ笑えてしまうほどです。私が予約しておいた部屋に、二人で入っていきました。その二人のあとを、私もつけます。
部屋の扉の前で立ち止まり、携帯から聞こえる二人の会話を少し聞いてみることにしました。その気もなく萎えている浩太の言葉とは裏腹に、これからのことを期待し過ぎている綾里さんの声、これから私が現れることなど、思ってもいないでしょう。
私はインターフォンを押し、更に、ていねいに扉をノックしました。「はぁ~い」と出てきたのは綾里さん。顔には誰あんたとでも言わんばかりのことが書いてあるようでした。
英麻「どうも、浩太の妻の英麻です」
綾里「え…?」
綾里さんの顔が強張るのが分かりました。
さて、この状況をどう言い訳してくるでしょうか―――。

