夢二が歩いた九州の風景:佐賀・唐津も訪れた創作の旅
「平戸懐古」
竹久夢二は1918年(大正7年)9月、九州を周遊しました。博多に上陸したのち佐賀・唐津へ向かい、海辺の町でスケッチを重ねながら、旅の中で得た印象を素直に写しとりました。唐津での滞在は、腰を据えて大作を描くというより、旅先の風景を感じ取り、心の琴線に触れる景色を見つけるための時間だったようです。
その後、長崎の雲仙・島原を経て長崎市に滞在し、永見徳太郎の案内で名所旧跡を巡ります。この経験がのちに代表的な九州ゆかりの作品である版画「長崎十二景」などへと結実しました。
また、夢二は敬愛する北原白秋の故郷・柳川にも足を運び、その情緒豊かな水郷の風景に心を寄せています。加えて、旅の途中には別府にいた恋人・笠井彦乃の病を知るという深い心の揺れもありました。
九州の風土、人々との出会い、そして心に刻まれた想い──それらすべてが夢二の創作の源となり、多くの作品を生み出す重要な旅となりました。
「平戸懐古」は、夢二が大正7年(1918年)の九州旅行で感じた異国情緒を"夢二式美人"で描いた作品です。平戸の歴史と南蛮趣味が溶け合うような和洋折衷の画風が特徴で、旅で得たインスピレーションから生まれた代表的な九州ゆかりの一作です。
特別企画:二胡のミニコンサート開催
王克強(Oh Katsukyo)
竹久夢二展の開催に合わせて、特別なミニコンサートが開催されます。二胡の柔らかな音色とともに、夢二が描く大正ロマンの世界に浸るひとときを楽しめます。
奏者は、中国大連市生まれで福岡県太宰府市在住の王克強(Oh Katsukyo)氏。11歳から二胡を学び、来日するまで様々な演奏活動を行ってきました。中国音楽家協会二胡学会会員、日中友好協会会員としても活躍しています。
夢二自身が作詞した名作「待宵草(宵待草)」も演奏される予定です。
◆「竹久夢二の音語り」
日時:2025年11月29日(土)
第1回公演:14:00〜14:30
第2回公演:16:00〜16:30
※入場無料
