パワハラに悩む社畜女子、クマの忠告で"人"が変わる…コミカルなブラックストーリーに「続きが気になる」の声【漫画】

パワハラに悩む社畜女子、クマの忠告で"人"が変わる…コミカルなブラックストーリーに「続きが気になる」の声【漫画】

『ブラックマ 思考停止のスイッチ』第1話より
『ブラックマ 思考停止のスイッチ』第1話より / 画像提供/クマさん

コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回は、上司からのパワハラに悩む女性社員の身に起きた物語『ブラックマ 思考停止のスイッチ』をピックアップ。
作者のクマさんが6月15日に「小さなクマに憑かれた女子社員 急に人が変わる?」というポスト名でX上に同作を投稿。そのツイートには5300以上のいいねと共に、多くの反響コメントが寄せられた。この記事では、クマさんにインタビューを行い、創作のきっかけやこだわりについて語ってもらった。

■このままでは会社の不用品に…小さな黒いクマが人生観を変える
『ブラックマ 思考停止のスイッチ』第1話より(4/27)
『ブラックマ 思考停止のスイッチ』第1話より(4/27) / 画像提供/クマさん


ブラック企業の営業部で働く主人公・立花ゆうこは、課長からのパワハラに悩んでいた。怒られると思考停止してしまい、会社に行くのが嫌で仕方がなかったが、ある日、出勤中に涙が溢れてしまったゆうこの前に不思議な男の子が現れ、黒いクマのぬいぐるみをもらう。

その夜、ゆうこの夢に大きな黒い影となって現れたクマは、「このままだと会社の不用品になってクビになる。それは君が選択し続けてきた結果クマ」と告げる。

「君が会社にいたいなら、君が変わらないと難しいクマ」――その言葉に心を打たれたゆうこは、翌日から別人のように変わる。そしてゆうこの行動によって、課長からの扱いも変わっていく――。

作品を読んだ読者からは、「社畜で潰されてしまいそうになりながら負けて終わらない彼女の続きが気になります」「作者さんの心の優しさと絵の上手さが最高です!」などの声が多数上がっていた。

■見てほしいポイントは「鬱の症状」――作者が語る創作の背景
『ブラックマ 思考停止のスイッチ』第1話より(23/27)
『ブラックマ 思考停止のスイッチ』第1話より(23/27) / 画像提供/クマさん

――『ブラックマ 思考停止のスイッチ』は、クマさんの経験がもとになった作品ということですが、クマさんがブラック企業を辞めて広告漫画家に転身しようと決意したのは、どのような思いからですか。

「ありがとう」と感謝されるのが嬉しかったから、でしょうか。

前職は飲食業でした。お客さんに「美味しかったよ、また来るね」と言ってもらえるのが嬉しくて。でもコロナで対面が難しくなり、心が疲弊していた時に漫画の仕事でお礼を言ってもらえたのが嬉しかったんです。

「ありがとうございます、――頼んでよかった」

5年前、コロナの影響をもろに受けて店は閉じ、有給を消化する日々が始まり、前途に不安を覚えました。会社に依る働き方をしていていいのだろうか、と。それで漫画の仕事を始めました。サービスを出してみるとココナラやSNSで企業さんからご依頼を受けるようになって。中学の時からずっと漫画を描いてきていたのと、ブログを書いていたので広告の使い方は理解していました。

理由のひとつは「ちょうど広告漫画のスキルがあったから」ですね(笑)。

もう一つは会社で疲弊していたことがあります。業績が厳しくなれば前線の人数は減らされ仕事量が増えます。コロナ禍が明けてお客さんが戻ってきても、中小企業には人を増やす体力はありません。コロナ融資の返済も始まりますから。少ない人間で以前より多い仕事量をこなさなければならない。当然、働いている人は疲弊します。でも売上はあげなければいけない。結果、何が起きるかというと人を叱咤して動かす。パワハラの始まりです。

上司から経費削減や動き方、細かい部分まで指摘が入るようになり、最後は人格否定のような言葉まで出始めました。会社側も大変だったとは思いますが、それがわたしにとっては「会社を辞める決定打」になりました。

「ありがとうございます、――頼んでよかった」

広告漫画を依頼してくれたある企業の社長さんに感動してもらえて、飲食業と同じ客商売の魅力をこの仕事に感じました。それが広告漫画家に転身した理由です。

――『ブラックマ 思考停止のスイッチ』を描くうえでこだわった点や、「ここを見てほしい」というポイントがあればお教えください。

このマンガには私自身のエピソードも入っています。それを感じさせないようにする、エンタメにする、という点にはこだわりました。マンガは第三者が読むもの。読んでてつらいだけ、というのは避けたい。物語として楽しんでほしい。最後はハッピーエンド、読後感よくページを閉じてほしかった。

見てほしいポイントは「鬱の症状」です。

朝、出勤しようとしたら悲しくもないのに涙がこぼれる、思考力の低下――。立花さんのように「働きながら鬱になりかけ」の人はたくさんいると思います。完全に鬱になってしまうと働けなくなります。わたし自身、鬱で数年引きこもった経験があるので。体が限界を迎える前に自分の心のSOSに気づくのは大事、という。

――本作の中で特に気に入っているシーンやセリフがあれば、理由と共にお教えください。

1話目で課長に怒られている途中で、立花さんの目が変わるシーンです。嫌いな人間に負けたくないという思いが彼女を変えます。ブラックマが憑いたから強くなったようにみえますが、もともと彼女の中にある思いをブラックマが引っ張り出したにすぎません。

上司と敵対する、というのは現実では少ない場面かと思いますので、楽しんでいただけると思います。

――本作には、主人公の生き方を変えるきっかけとなる“幸運のお守り”をくれる男の子が登場しますが、彼は一体何者なのでしょうか?

彼は毎日、立花さんと同じ電車に乗っています。立花さんは気づいていませんが、彼は毎日、立花さんを見ています。その人がいきなり泣き出して困っているようだったのでブラックマを渡しました。欧米ではクマのぬいぐるみは愛情の証。

彼がどこでブラックマを手に入れたのかは不明ですが、ブラックマがどういう存在かは知っているので、立花さんの助けになればと渡したようです。

――クマさんの今後の展望や目標をお教えください。

目標は「マンガが本屋に並ぶこと」です。その前に書籍化を目指さなければなりません…先は長いです。これを読まれた編集部様にご一考頂けますと幸いです(笑)。

――最後に、作品を楽しみにしている読者へメッセージをお願いします。

いつもブラックマを読んで応援してくださっている方、はじめましての方も。ブラック企業をテーマに漫画を描いてます。無料で読めるのでぜひ楽しんでいってください!

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