がんと聞くと、「怖い」「治りにくい」といったイメージを持つ人も多いかもしれません。しかし、部位によっては早期に発見しやすく、治療法の進歩により生存率が高いがんも確かに存在します。この記事では、生存率が高いがんの再発リスクなどについて解説します。

監修医師:
五藤 良将(医師)
防衛医科大学校医学部卒業。その後、自衛隊中央病院、防衛医科大学校病院、千葉中央メディカルセンターなどに勤務。2019年より「竹内内科小児科医院」の院長。専門領域は呼吸器外科、呼吸器内科。日本美容内科学会評議員、日本抗加齢医学会専門医、日本内科学会認定医、日本旅行医学会認定医。
安心の裏にある注意点と再発リスク
再発や転移の可能性を見落とさない
たとえ生存率が高いがんであっても、再発や転移のリスクがゼロになるわけではありません。特に乳がんや前立腺がんなどは、治療から数年後に再発が見つかることもあります。
乳がん:タイプによっては5年以上経ってから再発する「遅発性再発」が起こることも
前立腺がん:ホルモン治療が効かなくなる「去勢抵抗性」への移行に注意
甲状腺がん:ごくまれに肺や骨に転移することもある
生存率が高い=完治ではなく、「長くうまく付き合っていくことができる」状態だという認識が大切です。
定期検診・経過観察の重要性
治療が終わったあとも、定期的な通院や検査は必須です。
特に以下のような検査や観察が重要です:
画像検査(CT、MRI、超音波など)
腫瘍マーカーの定期測定
自覚症状の確認(痛み・しこり・体重変化など)
医師との連携を保ち、変化があれば早めに相談することが、再発の早期発見につながります。また、「大丈夫」と思っても、自己判断せずに医師の判断に基づいたフォローアップを続けることが安心につながります。
「高い生存率=油断できる」ではない
数字としての生存率はたしかに希望です。でも、それは「正しく治療を受けた場合に高い割合で助かる」ことを意味しているにすぎません。
治療が遅れれば、どんながんも命に関わる
定期的なフォローがなければ、再発を見逃す
生活習慣や体調管理を怠れば、リスクが増える
つまり、「生存率が高いがん」は、丁寧に付き合えば“長く生きられる”がんというだけで、放置していいがんではないということを忘れてはいけません。
まとめ
がんと聞くと、命に関わる深刻な病気というイメージが強いかもしれません。しかし、医療技術の進歩や検診の普及によって、部位によっては「治るがん」も確実に増えてきています。特に、甲状腺がん・前立腺がん・乳がん・子宮頸がんなどは、早期に発見され、適切な治療を受ければ5年生存率が90%を超えることも珍しくありません。とはいえ、「生存率が高い=油断してよい」わけではありません。 再発のリスクや生活習慣の影響、経過観察の大切さなど、治療後の過ごし方こそが“安心”の鍵を握ります。がんは「怖い」だけでなく、「知れば選べる、備えられる」病気でもあります。正しい知識と行動が、命を支える力になる──それがこの記事を通じてお伝えしたかったことです。
参考文献
最新がん統計|国立がん研究センター
がん検診の目的と効果|日本対がん協会
一般定期健康診断における女性の健康に関する健診項目について|厚生労働省

