「相手の気持ちを汲み取れない」と悩んでいる方は多いのではないでしょうか。
アスペルガー症候群では、コミュニケーションが上手くいかず対人トラブルに発展することがあります。
発達障害は子どものイメージを抱く方も多いですが、大人のアスペルガー症候群も増えており、大人になってから気づくケースも少なくありません。
今回は、そんなアスペルガー症候群について詳しくご紹介します。
※この記事はメディカルドックにて『「アスペルガー症候群」とは?大人・子供それぞれの特徴についても解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

監修医師:
稲川 優多(医師)
自治医科大学勤務。医学博士、公認心理師。日本精神神経学会精神科専門医・指導医・認知症診療医、日本老年精神医学会専門医・指導医、日本医師会認定産業医、精神保健指定医。
アスペルガー症候群の日常生活とサポート

日常生活で気をつけることがあれば教えてください。
アスペルガー症候群は短期間で症状が悪化したり改善したりするものではありません。そのため、病気を理解して上手く付き合いながら生活していく必要があります。
お子様の場合、親が何度も同じことを伝えても伝わらなかったり、思い通りにいかないとかんしゃくを起こしたりするケースも少なくありません。なかなか思いが伝わらずに焦りや不安があるのは、周囲の人も本人も同じです。
アスペルガー症候群の方は、スケジュールが決まっていることを予定通りに行うことが得意です。そのため、1日のスケジュールを決めておき、イラストや文字を使ってわかりやすくしておくとよいでしょう。
スケジュールが変更になる場合は、パニックにならないように予め説明しておくと安心です。また、伝えたいことは「明確に」「端的に」伝えるようにしましょう。言葉で伝わりにくい場合でも、紙に書くことで伝わる場合があります。
周囲の人はどのようにサポートすればよいですか?
ご家族・友人・同僚などにアスペルガー症候群の方がいたら、アスペルガー症候群の特性について理解することが大切です。
1つのことに熱中しすぎて心配になることもありますが、他のことに目を向けさせるよりも興味のあることを伸ばす方がよいでしょう。
叱られると萎縮したり騒がしい環境に不安を覚えたりしますが、褒められることで自己肯定感を高めて自信をもてるようになるのです。何かを依頼するときは、「やってはいけない」よりも「やってほしい」と伝え方を変えることをおすすめします。
大人になってからアスペルガー症候群に気づくケースもありますか?
近年増えているのが、大人になってからアスペルガー症候群に気づくケースです。アスペルガー症候群は知能や言葉の発達に問題はなく、子どもの頃に気づかれないことがあります。
しかし、コミュニケーションにおいて特異性があるため、周囲の人からは「変わり者」と思われることも少なくありません。そのため、対人関係でトラブルがみられたり、コミュニケーションが上手くいかずお互いストレスが溜まったりしてしまいます。
大人のアスペルガー症候群では、対人関係のトラブルやストレスによる抑うつ状態・うつ病・不安症などから気づくことが多いです。
最後に、読者へメッセージがあればお願いします。
我が子がアスペルガー症候群だとわかると「育て方が悪いのではないか」と不安になることもありますが、育て方やしつけが原因ではありません。アスペルガー症候群には特効薬はないものの、専門の医師のもとで適切な治療を受ければ症状を軽くできる可能性があります。
大人になってからアスペルガー症候群に気づく方も多く、子どもの頃から対人関係にストレスを感じたり、生きづらさを感じたりしていることも珍しくありません。
アスペルガー症候群であることに早めに気づくことで、対応や考え方を変えられる可能性が高くなります。少しでもアスペルガー症候群を疑う症状があれば、早めに専門の医師に相談してください。
編集部まとめ

アスペルガー症候群は発達障害の中でも言葉や知能に遅れがないため、大人になってから気づくケースも増えています。
いわゆる「空気を読む」という行為が苦手で、相手の気持を汲み取ったり想像して対応することが難しく、対人関係に悩むケースが多いです。
そんなアスペルガー症候群は薬で治すことはできませんが、カウンセリングやトレーニングによって症状は軽減できます。
そのためにも、早めに気づいて診断を受けることが大切です。
アスペルガー症候群に気づいて適切なサポートをすることで、本人はもちろん周囲の人にとっても不安の軽減につながります。
症状の現れ方には個人差があるため、少しでも気になることがあれば一度専門の医師に相談してください。

