日常の中のごく当たり前の時間が、一瞬にして恐怖へ変わったといいます。誰もが直面し得る危険なシナリオとは……。
警察官の服を着た男性に声をかけられて
ある日、美奈代さんはマンションのエントランスを出たところで、警察官の制服を着た男性に声をかけられました。「笑顔で『すみません、今この辺りで聞き込みをしていまして』と近づいてきて、柔らかな口調で威圧感もなかったため、特に警戒することもなく質問に応じました。
最近近所で不審な人物が目撃されたニュースも目にしていたため、協力しなくてはという気持ちでできる限り丁寧に答えたんですよね」
そのやり取りの中で、名前こそ尋ねられなかったものの「ちなみにお姉さんは何号室?」と部屋番号を聞かれ、その馴れ馴れしい聞き方に一瞬引っかかったといいます。ですがその場では「不審がられたくない」という心理が働き、思わず答えてしまったそう。
数日後の夜、インターホンが鳴った
「その数日後、仕事から帰ってきてリビングでくつろいでいたら、突然インターホンが鳴ったんですよ。夜8時を過ぎていて、誰か来る予定もありません。恐る恐るモニターをチェックしてみたら、先日の制服姿の“警察官”でした」その瞬間、美奈代さんは「もしかしてこのマンション内で何か重大な事件が起こったのかもしれない」と考え、慌ててモニター越しに返事をします。彼は「こんばんは。前に少しお話を伺った者です。もうちょっとだけ確認したいことがありまして。すぐに終わりますから、ドアを開けてもらえますか?」と微笑みながら話しかけてきました。

