簡単レシピで生まれた“ゆとり”で理想の子育て!

「ブロッコリーのごちそうサラダ」は三男くんの大好物
――あこさんが毎日のご飯で工夫していることを教えてください。
あこさん(以下、あこ) その日の自分の時間と気持ちの余裕を超えたものを作ろうとしないこと。前もって夕飯を決めていても、意外にやることが多くて「もうこんな時間!」となることもありますよね。そんなときは決めていたものを無理して作るのではなく「もう今日は余裕ないから簡単な丼レシピにしよう」というふうにしています。無理をして作ると、料理中もイライラして子どもとの関わり方にも余裕がなくなってしまうので。自分に余裕のある範囲で作れるものに変更することで、追い詰められてイライラ母さんにならないようにしています。
――臨機応変に対応しているんですね! 3兄弟の食事づくりで気をつけていることはありますか。
あこ 子どもたち3人、それぞれ苦手なものがあります。でも1~2個はがんばってほしくて、加減しながら無理なく食べられる量を盛り付けています。一食の量も、それぞれこれぐらいは食べてほしいなという量を盛っていますね。以前、盛りつけているうちに誰がどのお皿かわからなくなったことがあって。今はお皿に名前シールを貼ってわかるようにしています。子どもたちも自分の名前が貼られたお皿をとって、自分の席に持っていきますよ。
――お皿に名前のシールはお子さんも喜びそうですね。子育ての中で特に大切にされていることも教えてください。
あこ 子どもたちが自分でやろうとすることに、つい手や口を出しそうになるんですが、ぐっと堪えて見守ることを大切にしています。フルタイムで働いていたときは、特に朝バタバタして、大人がやったほうが早いからやってしまったり、急かしたりすることが多かった。でも今は、子どもが自分でできるまで待つことができていると思います。
――それは料理を時短できたことも大きいのでしょうか?
あこ そうですね。働き方が変わったのもあるし、料理でいっぱいいっぱいだったときは、できていなかったと思います。料理を無理しなくなってゆとりができて、一番よかったのは、やっぱり子どもと向き合える時間ができたこと。子どもたちが一緒にトランプをやりたいと言ったとき、料理でバタバタしていたときは相手をしてあげられなかったんです。それが今は「まあ洗い物はこれだけだし、後でやるか」と一旦保留にして、1回でも一緒にトランプができるようになりました。
そうやって子どもたちと遊んだら「ちょっといいお母さんができたかも」と、自己肯定感も上がります。バタバタしていると「子どもたちに冷たくしちゃったかな。よくないお母さんだな」と自分の評価が下がってしまうので、余裕を持つことが自信にもつながっています。
「うれしい気持ち」で子どもを料理好きに

――お子さんと一緒に料理をすることは?
あこ あります。夕飯を作るタイミングが多いです。自分たちから「手伝う」とか「やってみたい」と言ってくれます。手伝ってくれると余計時間かかるんですけど(笑)。そこはぐっと堪えて「手伝ってくれてありがとう。助かるなあ」と感謝の気持ちを伝えるようにしています。
――素敵! ほかに、お子さんと一緒に料理をする際に気を付けていることはありますか?
あこ あまり手を出さないようにしていますね。野菜を切ってくれたとき、予定よりも大きく切られてしまうことがあって。「この料理にこの大きさのにんじんか……」と思うんですけど、手直しをするとせっかく子どもが「自分で切った」という経験を塗り替えてしまうので、そのまま使います。すると食べるときに「あ、自分が切ったやつ!」って、すごくうれしそうにするんですよ! そうして自分で作って「おいしかった」「家族が喜んでくれた」といううれしい気持ちを感じてほしいですね。
――私は直してしまうので、反省しました。
あこ 私も最初は直したり、もうちょっと小さく切ってと言ったりしていたんですけど。「自分で作った」とすごく誇らしげにしている姿を見て、そこをもっと大切にしてあげようと思いました。もうそのまま、その子が切った状態で入れています。すごい繋がったこんにゃくとか出てきますけど(笑)。なるべく褒めて、料理ができる大人に育ってほしいなと思いながら、日々やっています。
――それは料理好きになってくれそうですね。はじめからお子さんたちは「自分でやりたい」と言っていたんですか?
あこ 最初は私から「やってくれる?」と声をかけていました。そこで楽しいと感じてくれたのか、今では自分から来てくれるようになりましたね。
――あこさんの見守る姿勢がお子さんの自主性に繋がっているんですね。
