前科8犯の被告人に実刑 通勤電車で痴漢、所持品には性玩具「故意ではない」主張は退けられる

前科8犯の被告人に実刑 通勤電車で痴漢、所持品には性玩具「故意ではない」主張は退けられる

●「電車を避ける」と誓った過去…しかし通勤電車へ

前回の裁判で被告人は「(今後は)電車は避ける」と述べていた。それにもかかわらず、混雑する通勤電車に自ら乗り込んだ。早朝に電車に乗った理由を尋ねられると、次のように説明した。

「仕事を始めるために住所変更の手続きをしようと立川市役所へ行くつもりだった。前の仕事先に忘れ物を取りに行く必要もあった。また、その日のうちに埼玉県で転入手続きをするため、朝早く出かけた」

女性を避ける意識について問われると、事件当日は「普通に乗っただけ」と答えた。

●「結果的に押し当てた」曖昧な説明

なぜ、股間を押し当てたのか──。そう尋ねられると、被告人は「結果的にそうなってしまった」と回答。「最初から痴漢しようとして電車に乗ったのか」と問われると否定した。

混雑した車内で偶発的に接触することはあり得る。しかし、女性の足の間に自分の足を入れている点など、積極的な動作が認められる。

その理由を聞かれると、「記憶にないが、そうだったかもしれない」と曖昧な供述をした。腰を引かなかった理由については「下手に動くと(痴漢と)誤解されると思った」と不自然な弁解を述べた。

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