「お口の端からよだれが出る」のはなぜかご存知ですか?対処法を医師が解説!

「お口の端からよだれが出る」のはなぜかご存知ですか?対処法を医師が解説!

唾液は無意識のうちに飲み込むため、よだれがお口から出てしまうことは通常ありません。しかし、唾液が多い、唾液を飲み込めないなど、さまざまなことが原因でお口の端からよだれが出てしまう場合があります。それでは、よだれが出てしまうのには一体どのような原因があるのでしょうか。考えられる原因や対処法、何科を受診すればよいかなど気になる点を詳しく解説します。

中嶋 麻優子

監修歯科医師:
中嶋 麻優子(歯科医師)

東京歯科大学卒業。アソアライナー認定医。ポリリンホワイトニング認定医。WHマスク監修。

お口の端からよだれが出る主な原因

お口の端からよだれが出る主な原因
お口の端からよだれが出る主な原因はさまざまですが、ここではどのような原因があるか解説していきます。当てはまるものがあるかぜひチェックしてみてください。

口腔周りの筋力低下

唾液の量に異常がない場合、お口や喉の筋力の低下が原因の場合があります。加齢によって筋力が低下すると、お口や喉にある筋肉の力も落ちてしまい、嚥下機能(飲み込みの機能)が低下します。嚥下機能が落ちている状態をオーラルフレイルといい、むせる、食べこぼすといった症状を引き起こします。

神経疾患や脳のトラブル

よだれが出るのは加齢だけではありません。お口や喉のまわりの筋肉を動かす司令を出す脳や神経の伝達経路に異常が生じると、筋肉がうまく動かせずよだれがお口の端から出てしまうことがあります。このような病気には、以下のようなものがあります。

・パーキンソン病
パーキンソン病は、脳のドパミン神経細胞が減少することによって、体の動きに障害が現れる病気です。筋肉がうまく動かせなくなり、嚥下機能が低下し、よだれが出ることがあります。

・筋萎縮性側索硬化症(ALS)

運動をつかさどる神経の障害により、手足、喉、舌の筋肉や呼吸に必要な筋肉が徐々にやせて力が入らなくなっていく病気です。はじめは手足の動かしにくさから始まることがありますが、進行すると嚥下障害を起こし、よだれが出る場合があります。

・脳卒中
脳卒中には、脳梗塞や脳出血、くも膜下出血があります。障害された脳の部位に応じて症状は異なりますが、突然体の半分に力が入らなくなることや、お口や喉の筋肉を動かす神経が障害される場合があります。麻痺があってお口の片側からよだれが出ている場合は、注意が必要です。

・顔面神経麻痺
顔の筋肉を動かす神経を顔面神経といいます。この顔面神経が麻痺してしまうと、片側のお口まわりの筋肉を上手に動かすことができず、よだれがお口の端から出てしまいます。多くはウイルス感染が原因で、単純ヘルペスウイルスや水痘・帯状疱疹ウイルスが原因とされています。お口や喉の筋肉をうまく動かせないためよだれが出てしまう場合、このような病気が原因となっている可能性もあります。

唾液分泌が過剰になっている

ストレスなどの心因性や、妊娠、出産、進学、就職などの環境変化があると、唾液分泌が過剰になることがあります。さらには、唾液をうまく飲み込むことができなくなることでさらに唾液の量が多いと感じてしまう場合があります。また、ストレスを感じると喉の違和感を自覚し、飲み込みづらさを感じる場合もあります。環境の変化、人間関係などで強くストレスを感じている場合は、休養をとったりリフレッシュしたり、ストレス改善を心がけましょう。

流涎症(りゅうぜんしょう)

流涎症とは、唾液の量が多いために唾液がお口からあふれてしまう病気です。唾液分泌過多症、唾液分泌異常症などともよばれます。つわり、胃もたれ、胃炎、胃潰瘍、口内炎などがあると、唾液分泌量が増えることがあります。しかし、原因が特定できない場合も多く、自律神経の異常が関連していると考えられています。

その他の要因

まれですが、喉の腫瘍が原因の場合があります。腫瘍ができると唾液のとおり道が物理的に塞がれてしまうため、唾液が飲み込めずお口の端からよだれが出てしまうことがあります。この場合、よだれが出るだけでなく、食べ物が喉をとおりにくい、声がれがする、むせるなどの症状を伴う場合があります。その他にも実は、認知症が原因である場合もあります。認知症はお口の筋力が衰えるだけでなく、唾液を上手に飲み込むことができず、お口の端からよだれが出てしまうことがあります。

お口の端からよだれが出る場合の治療方法

お口の端からよだれが出る場合の治療方法
お口の端からよだれが出る場合、原因によって以下のような治療法が行われる場合があります。

薬物療法

病気が原因の場合は、薬物療法が有効です。パーキンソン病は不足しているドパミンを補うことで症状が軽快します。そして筋萎縮性側索硬化症の方には、症状の進行を抑える薬を使用します。顔面神経麻痺の場合は、症状緩和のためにステロイド薬を使用する場合があります。

ボツリヌス注射

ボツリヌス注射とは、ボツリヌス菌が作るボツリヌストキシンを有効成分とする薬を筋肉内に注射する方法です。ボツリヌストキシンには、筋肉を緊張させている神経の働きを抑える作用があります。脳卒中や脳性麻痺はお口や喉の筋肉がつっぱる(痙縮)ことがありますが、この場合、ボツリヌストキシンの作用によって筋肉の緊張がほぐれ、唾液を飲み込むことができるようになることが期待されます。

理学療法

お口や喉の筋力が低下している場合は、理学療法が有効です。理学療法とは、運動機能の維持や改善を目的とし、運動、温熱などの物理的手段を用います。

配信元: Medical DOC

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