胃や大腸、肺の検診はがんの早期発見に欠かせないものです。しかし、何度も病院に通って検査を受ける手間は極力省きたいもの。はたして、全ての検査を一度で済ませてもいいのでしょうか? 「千葉柏駅前胃と大腸肛門の内視鏡・日帰り手術クリニック 健診プラザ」の鈴木先生に教えてもらいました。

監修医師:
鈴木 隆二(千葉柏駅前胃と大腸肛門の内視鏡・日帰り手術クリニック 健診プラザ)
聖マリアンナ医科大学卒業。その後、東京女子医科大学消化器病センター助教を務める。2020年8月、「筑波胃腸病院」(茨城県つくば市)の理事長に就任。 2024年4月、「千葉柏駅前胃と大腸肛門の内視鏡・日帰り手術クリニック 健診プラザ」(千葉県柏市)を開院。医学博士。日本消化器内視鏡学会専門医、日本外科学会専門医。麻酔科標榜医、産業医、難病指定医。
胃がん・大腸がん・肺がん検診の内容
編集部
まず、胃がん検診の検査内容について教えてください。
鈴木先生
胃がん検診では、主に「バリウム検査(胃部X線検査)」または「内視鏡検査(胃カメラ)」をおこないます。バリウム検査では、X線撮影によって胃の形や粘膜の異常をチェックします。一方、内視鏡検査では、実際に胃の中を直接観察します。どちらの検査をおこなうかは、胃がんなどのリスクや年齢に応じて選択されますが、内視鏡検査の方がより正確に胃の内部を観察できます。また、必要に応じて組織の一部を採取して調べることもでき、特にがんの早期発見に有効とされています。
編集部
次に、大腸がんの検診ではどのような方法がありますか?
鈴木先生
最も一般的なのは「便潜血検査」です。便の中に血液が混じっていないかを調べる簡便な検査で、年に1~2回の頻度で受けることが推奨されています。もし結果が陽性であれば、大腸内視鏡(大腸カメラ)による精密検査がおこなわれるのが一般的です。
編集部
肺がん検診では、どのような検査をするのでしょうか?
鈴木先生
肺がん検診では「レントゲン検査(胸部X線検査)」が一般的です。ただし、喫煙歴がある人やリスクの高い人には、より詳細な検査として「喀痰(かくたん)細胞診」や「CT検査」が追加されることもあります。これらの検査は、無症状のうちに肺がんを見つけるのに有用です。
編集部
どの検査も必ず受けるべきなのでしょうか?
鈴木先生
それぞれのがんは初期には自覚症状が乏しいため、定期的な検診がとても重要です。年齢や家族歴、生活習慣によって必要性は異なりますが、特に35歳以上の人は、がんの種類を問わず早期発見のために受診することが推奨されています。
がん検診を同時に受けるメリット・デメリット
編集部
胃・大腸・肺がん検診を同じ日に受けても問題ありませんか?
鈴木先生
基本的には、健康状態に問題がなければ同日に受けても問題ありません。ただし、体調や既往歴によっては間隔を空けた方がいいケースもあります。事前に医療機関に相談すると安心でしょう。
編集部
検診を同じ日に受けるメリットとは?
鈴木先生
一番のメリットは「時間の効率化」です。忙しい人でも1日で複数のがん検診を済ませることで、検査の機会を逃さずに済みます。また、まとめて結果を把握できるので、健康管理にも役立つでしょう。
編集部
そのほかにもメリットはありますか?
鈴木先生
例えば、胃カメラと大腸カメラの検査を受ける場合、同日に受けた方が検査料金を抑えられるので、金銭的なメリットもあります。
編集部
逆に、デメリットや注意点があれば教えてください。
鈴木先生
検査の内容によっては食事を抜いたり、下剤を使用したりすることが必要になるため、体への負担が大きくなるかもしれません。また、検査のスケジュールを調整する必要もあります。加えて、結果に応じて複数の追加検査が必要になれば、身体的・精神的な負担が増えることも考えられるでしょう。
編集部
全ての医療機関で、同時に検診を受けられるわけではないのですか?
鈴木先生
医療機関によっては、設備や人員の都合で全ての検査を一度に対応できない場合もあります。同時に検査を受けたい場合は、予約や相談をしておきましょう。

