かつては富裕層といえばヴィトンやエルメスなどのハイブランドを好むといったイメージがありました。しかし最近では、筆者が実際に接しているいわゆるお金持ちの友人・知人は、あまり目立ったブランドものの服は着ていない印象です。そこで今回は、なぜお金持ちほどシンプルな服装を好むのか。その理由、心理的背景についてご紹介いたします。
富裕層向けの調査では、4割がユニクロ愛用者
筆者自身の身の回りにいる富裕層と呼ばれる人々も、着こなしはシンプルな人が多い印象を受けますが、実際本当にお金持ちはブランドものより手頃な価格のユニクロを好むものなのでしょうか。その裏付けとなるアンケート調査の結果がとても興味深いものでした。富裕層が愛用するクレジットカード「LUXURY CARD(ラグジュアリーカード)」の会員のうち、世帯年収2,000万円以上の342名を対象におこなわれたライフスタイルに関する調査(2024年2月)では、「よく身に着けるブランド(洋服)」の1位が「ユニクロ(42.1%)」という結果に。
2位以下では「モンクレール(21.9%)」「ナイキ(17%)」といったスポーティなブランドの人気も高く、価格帯を問わず堅苦しくないスマートカジュアルな装いが人気のようです。この結果から見ると、富裕層の多くは服に関しては高価格帯のブランドに限らず、自らのスタイルに合ったファッションを優先し、堅実な思考でもあることがうかがえます。着心地が良いものや、使い勝手の良さなどを重視しているため、ものづくりに定評のあるユニクロが支持されているのでしょう。
富裕層のタイプによって服の嗜好は変わる
とはいえ、もちろん富裕層の中にも「ハイブランドが大好き!」といった嗜好を持っている方もいます。全ての方がそうだとは言いませんが、少なからず「自分は、ハイブランドを身につける生活ができる、限られた人間である」といった、自身の格の高さを服装で表現したい気持ちも働いているのではないでしょうか。
そのため、お金持ちではない出自から、自身でお金持ちに成り上がった「セルフメイドリッチ」、お金持ちと結婚した「玉の輿妻(または夫)」、お金を持っているアピールが客商売にとって有利に働く「夜職(ホスト・キャバクラ嬢)」といったタイプの方は、ブランドロゴが大きく入ったものや、一目でそれと分かるアイコン的なブランド品を持っていることが多い傾向があります。
