脳脊髄液減少症の前兆や初期症状について
脳脊髄液減少症の典型的な症状として、立ち上がった際の頭痛(起立性頭痛)や悪心、嘔吐、全身の倦怠感、めまい、ふらつき、耳鳴りなどが挙げられます。
慢性化してくると、頚部痛や肩こり、聴力や視力の低下、注意力や集中力、記憶力の低下を引き起こす可能性も高いです。
起立性頭痛
脳脊髄液減少症の特徴的な症状は、起き上がった時に悪化し、横になると軽減する起立性頭痛です。
脳脊髄液が減少して脳が浮力を失い、脳の重みが頭蓋内の神経や血管に負荷をかけることで発生します。
脳の浮力低下に伴い、吐き気や嘔吐、めまい、ふらつきが発生することもあります。
耳鳴りや聴覚異常
脳脊髄液減少症では、耳鳴りや聴覚異常を訴えるケースもあります。
脳脊髄液は内耳の機能にも影響し、圧力の変化によって内耳内の神経や感覚細胞が刺激されたり、内耳のリンパ液のバランスが崩れるからです。
耳の中で「ジー」という音が鳴る、あるいは音が遠く感じることが症状として挙げられます。
視覚障害
脳の圧力低下が視神経に影響を与えるため、視覚障害を訴える人もいます。
物がぼやけて見えたり二重に見えたりすることが多いです。
脳脊髄液減少症の検査・診断
検査と診断には造影頭部MRIや脊髄MRI、MRIミエログラフィー 、RI脳槽造影(RIシステルノグラフィー)、CTミエログラフィーが挙げられます。
造影頭部MRI
造影頭部MRIは、造影剤を使用して脳脊髄液の漏れや圧力低下の有無を確認するための画像検査です。造影剤を血管内に注入してMRIを撮影することで、脳脊髄液がどこから漏れているかを特定します。脳脊髄液の圧力低下による影響で脳が下に引っ張られる様子が見られることがあります。
脊髄MRI
脊髄MRIは、脳脊髄液が漏れている場所を特定するために必要です。
脊椎のMRI画像を撮影することで、硬膜の損傷箇所を発見し、脳脊髄液減少症の診断に役立ちます。脊椎の一部に液体がたまっている様子が確認されれば、脳脊髄液が漏れている箇所が見つかる可能性が高まります。
MRIミエログラフィー
MRIミエログラフィーは、脳脊髄液の漏れをより詳細に確認するための検査です。
造影剤を直接脊髄に注入してMRI撮影を行うと、脳脊髄液の流れがわかるためどこで漏れが発生しているか確認できます。造影MRIよりも詳細な情報を得られるため、漏出箇所の正確な特定に役立ちます。
RI脳槽造影(RIシステルノグラフィー)
RI脳槽造影は、アイソトープ(放射線を放出する特性を持つ物質)を用いて脳脊髄液の動きを観察する方法です。
放射性物質を脳脊髄液内に注入し、流れを追跡することで、脳脊髄液の漏出箇所や漏出量を測定します。
漏れが確認できなかった場合や、漏出箇所を特定する場合の補助的な役割を果たします。
検査には短い半減期を持つ放射性物質が用いられ、体内に放射性物質が長く残らず、検査後は比較的短時間で排出されるため安全です。
CTミエログラフィー
CTミエログラフィーは、脳脊髄液の流れや漏れを確認するための検査です。
造影剤を脊髄内に注入し、脳脊髄液の漏れをCT画像で確認します。
骨の構造や硬膜の細部を確認するのに優れているため、手術や治療方針を決定する際に適しています。

