
エンディングノートには何を書いた?
高齢化社会の進展に伴い、「終活」という言葉は幅広い世代に浸透し、自分の人生の整理と残される家族への配慮は重要なテーマです。
終活の中でも、「エンディングノート」の作成は、自分の意志を整理し、万が一の際に家族が困らないようにするための最も実用的な手段として認知度が高まっています。
ということで実施された今回の調査。どのような実態が明らかとなったでしょうか。
約2割が、現在エンディングノートを「一部だけ書いている途中」
まずは、現在エンディングノートを準備(記入)しているかを聞いてみました。

エンディングノートを「すでに準備している」または「一部書いている途中」の人は約22%に留まる一方、「これから書こうと思っている」人が40.5%を占めました。
多くの人がエンディングノートの必要性を強く認識しつつも、具体的な作業には移せていないようです。
エンディングノートを準備した、または書いている途中の人はどのような思いで行動したのか、理由をくわしく聞いてみました。
「すでに準備している(完成済み)」その理由は?
・残された人の負担をなくしたいから。死後であっても自分の持ち物や財産を思うようにしたいから。(60代・女性)
・葬儀の時、関係者が、困らないように。(70代・男性)
・脳梗塞を患ったから。(70代・男性)
・年齢的に必要かと。(70代・男性)
・子ども5人なので揉めないように書いてある。開封しないで裁判所へ持っていくように表に大きく書いてある。(80代・男性)
「一部だけ書いている途中」その理由は?
・家族が困らないように。(60代・男性)
・ガンに罹患したから。(60代・男性)
・妻に遺言書を残すように言われて、ついでにエンディングノートも書いた。(60代・男性)
・自分の持っている情報や考えを遺族に伝えるためエンディングノートを記録し始めました。(70代・男性)
・子どももいなく妻も年上で先が不安なので。(70代・男性)
・エンディングノートの作成について、年齢に関係して、子ども達から要求されている。(70代・男性)
・そろそろ平均寿命を迎えるので。(80代・男性)
エンディングノートを作成する動機は、「家族の負担軽減」という他者への配慮が最も強力な要因です。
「残された人の負担をなくしたい」「葬儀の時、関係者が困らないように」といったコメントがそれを裏付けています。
とくに「すでに完成済み」の層では、「脳梗塞を患った」「ガンに罹患した」といった健康上の危機や、「子ども5人なので揉めないように」といった相続トラブルの予防など、切実な必要性や強い危機感が作成を完了させる決定的な要因となっています。
一方、「一部だけ書いている途中」の層も動機は同様ですが、「妻に言われた」「自分の情報や考えを遺族に伝えるため」など、家族とのコミュニケーションや情報整理の側面から着手している傾向が見られます。
