
同期なしの新卒として配属された先は「検査課」。高校はほぼ女子だったので問題ないと答えた辰ノたむさん(@tatsuno_tamu)だが、働き出したら問題しかない部署だったという。非正規雇用を差別し、無視する職場での実体験を描いた漫画『正社員で入社した会社を半年でやめたら感謝された件』を紹介する。
■入社2週間で限界を迎えた検査課の闇




出社初日、配属先の検査課の課長は居眠り。さらに、紹介された社員は課長以外すべて女性で、とくに教育係のオツ野さんとボネ山さんは、部署内で絶対的な権力を持っていた。
オツ野さんは特に契約社員の外国人労働者へのあたりが強く、常に怒鳴っていたそうだ。そのせいで職場も常にピリついていた。そのほかにも、契約社員は休憩室に入ることができず、ロッカールームで休憩するよう指示されるなど、差別が横行していた。たむさんは、休憩室でもオツ野さんが契約社員の悪口を言うため、ゆっくり休むことができなかった。
そんなある日、たむさんは契約社員に大変な検品をやらせていることに気づき指摘すると、「新人のくせに」と怒られ、たむさんも休憩室を出禁となった。これが、入社2週間での出来事だ。翌日からたむさんはオツ野さんやボネ山さんから無視されるようになる。それでも、たむさんは人として、契約社員だけ理不尽な扱いを受けるのは全く納得できなかった。
■退職後、人事を通して社長へ直談判
陰湿ないじめが続き、結果的に半年で退職することを決めたたむさん。しかし、検査課の退職者が後を絶たないことに疑問を感じた人事が動き、内部調査が入ることになった。結果、たむさんは人事を通して社長に直談判することになる。
本作はプライバシーの観点から一部フィクションを混ぜているが、ほぼ実話だという。「よくある『悪者を倒してスカッとする』という結末ではありませんが、『助けてくれる人は必ずいる』ということを伝えたかった」と、制作した経緯を語った。
女性ばかりの職場の難しさについて尋ねると、「コミュニケーション能力が高い分、よい面もありますが、その反面『グループ』や『派閥』ができやすく、そこに入る・入らないで気を遣うことも多いです」と答えた。また、噂話が早く広まるため、ちょっとした行動が話題になりやすい傾向もあるそうだ。
漫画にするに当たっては、ほぼ女性しか登場しないお話だったので、キャラクターの見た目が被らないようにこだわった。数か月にわたる連載物は初めての試みだったので、演出やまとめ方を考えるのが難しかったそうだ。
そのほかに、夫婦関係、子育て、仕事など、実際のエピソードをもとにした日常の「共感できる体験談」や「ちょっとスカッとする話」を漫画にしている。
取材協力:辰ノたむ(@tatsuno_tamu)
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