通販会社が「注文したふり」をしてくれる!?
2025年11月、X(旧Twitter)で大手通信販売会社の「ある対応」が話題となり、称賛の声が集まっています。きっかけは、認知症の家族を持つユーザーによる投稿でした。
話題の発端となったのは、認知症の母親が商品を繰り返し注文してしまい、困り果てていた家族のエピソードです。
投稿によると、通販大手の「ジャパネットたかた」には、認知症などの事情がある場合、注文があっても一度家族に連絡を入れ、購入の可否を確認してくれる対応があるといいます。
さらにSNS上で拡散され、多くの人の心を動かしたのは、単に注文を止めるだけではない企業側の配慮でした。
あるユーザーは、「ジャパネット以外でもテレビ・新聞広告の通販会社はほとんど対応してくれる」とした上で、こう投稿しています。
「注文があったら受注したふりをしてくれる優しさ。みんな覚えておこう」
本人の「買い物をしたい」「家族のために何か買いたい」という気持ちやプライドを傷つけないよう、電話口では注文を受けたように振る舞い、裏で家族に確認をとる――。そんな“神対応”が行われていることに、驚きと感動の声が広がりました。
「何度も解約したのに…」介護経験者の切実な声
実際に介護の現場では、こうした通販トラブルが後を絶ちません。20年前に自宅で義理の両親を介護した経験を持つAさん(70代・主婦)は、当時の苦労をこう振り返ります。
「義父が数万円もする膝関節サポートのサプリメントを購入していたことがありました。明らかに高額なので解約を勧めたのですが、『これが効いているんだ!』と頑として聞き入れてくれなくて…」
家族が代理で解約手続きをしても、本人がまた電話をして再購入してしまう。その繰り返しだったといいます。
「当時はこのような柔軟な対応を知らず、結局は家族が泣き寝入りするしかありませんでした。本人のプライドを傷つけずに止めてくれるシステムが浸透すれば、介護する家族は本当に安心できますね」(Aさん)

