
コミックの映像化や、小説のコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回は、かんさびさんが描く『古書店ミチカケ 心晴れぬ日はいまを忘れてひとやすみ』(KADOKAWA)より『犬の喫茶店』をピックアップ。
かんさびさんが8月13日にX(旧Twitter)で本作を投稿したところ、多くの「いいね」や反響コメントが寄せられた。本記事では、かんさびさんにインタビューを行い、創作のきっかけや漫画を描く際のこだわりについて語ってもらった。
■書店で起こった不思議な出来事

ひと月前に愛犬・ペッペを亡くした小学生のしょうたは、ある雨の日、ペッペに似た犬と出会う。その犬の後を追うと、一軒の書店にたどり着いた。
店内には小さいころに良く読んだ『犬の喫茶店』という絵本が置かれていた。不思議なことに、本をめくるとしょうたは『犬の喫茶店』の中に入っていた。犬のマスターは、お茶とお菓子を振る舞ってくれるだけでなく、絵本を渡したりおもちゃを持ってきたり、マスター用のクッキーまでしょうたのところへ運んできたり、とおもてなしをしてくれた。
その姿がずっと一緒だったペッペの姿に重なり、さらにおやつの食べ方がそっくりなことから、マスターがペッペであることに気づく。
ペッペが亡くなってしまい、悲しみを抱いていたしょうたに、ペッペは元気なころの姿を見せる。
「僕はもう大丈夫だよ」
そう思って気づくと、しょうたは自分の家のソファーにいた。目の前には『犬の喫茶店 ペッペのクッキー』と題された一冊の絵本が置いてあったのだった…。
作品を読んだ読者からは、「お別れした子、一人一人を想い、逢いたくなり涙しました」「涙が止まりません」「心に響きました…」など、反響の声が多く寄せられている。
■作者・かんさびさん「感動や癒しを届けられる作品を描き続けたい」

――『犬の喫茶店』のエピソードは、どのようにして生まれた作品ですか?きっかけや理由などをお教えください。
知人が飼っていた柴犬と、その家のお子さんが兄弟のように仲良く遊んでいた光景を思い出したのがきっかけです。絵本の中で、子どもや犬の純粋で無垢な存在が輝けるような作品にしたいと思い、漫画として描いてみました。
――『古書店ミチカケ 心晴れぬ日はいまを忘れてひとやすみ』のキャラクターはどのように生み出されたのか、お教えください。
誰もが抱える不安や寂しさを少しでも和らげられるお話を描きたいと思っており、その気持ちを体現してくれるキャラクターづくりを心掛けています。「あ、この気持ちわかるな」と読者に共感してもらえるような心情を意識しています。
――本作のコミックスが2025年2月に発売されています。コミックスの見どころや注目してほしい点を教えていただけますか?
各話では、誰もが感じたことのある不安や悩み、憧れをテーマに描いています。登場人物の夢や希望、悩みに注目していただき、昔の自分や今の自分に重ねながら読んでもらえたら嬉しいです。
――『犬の喫茶店』の投稿には多くの反響がありました。X(旧Twitter)やpixivなどに寄せられたコメントで印象に残っているものはありますか?
わんちゃんを飼っている方、飼っていた方から特に共感の声をいただきました。皆さんのペットや家族にまつわる温かいコメントを拝見するたび、とても嬉しく、印象に残っています。
――最後にかんさびさんご自身や作品について、今後挑戦してみたいことをお教えください。
基本的に温かくほっこりしたお話を描くのが好きなので、今後もSNSや投稿サイトで、読者の方に感動や癒しを届けられる作品を描き続けたいです。現在制作中の『寺の番猫 ウロの物語』も、黒猫を主人公にした日本昔話風のほっこりしたお話です。こうした癒しの作品を通して、さらに多くの方に楽しんでいただけたらと思っています。

