
世界に8000人しかいない珍しい病気「振り子病」を患ったルナ。医者に言われた余命は「10⁵年」という果てしない長さで…?小学館の拡散型漫画投稿サイト「#マンガイチ」で入賞した、こうが(@Kouga_ss)さんの「余命10⁵年」を紹介する。
■ 長生きできるのに誰もいなくなる――余命10万年の孤独



振り子病を患ったルナは、計算上の余命が「10⁵年」と告げられた少女だ。「私の感じる1日は普通の人の3年」。家族が少しずつ年を取り、ルナだけが取り残されていく――その圧倒的な時間差がこの物語の軸となっている。
本作を描いたきっかけについて、作者のこうがさんは「きっかけはドラゴンボールに出てくる精神と時の部屋です」と話す。「外界と365倍の時間差があるあの部屋に窓があったら…」という空想から、余命が長すぎる主人公の物語が生まれたそうだ。描くうえで意識したのは「時間の流れ」だと語り「途方もない寿命を告げられたルナがどう生き、周囲の世界がどう変化していくのか」をかなり考えさせられたと明かしてくれた。
タイトルを10⁵年と表記した理由については「SFらしさのあるタイトル表記にしたかったからです」と語る。余計なゼロを並べるより、この数字の方が作品に合っているようだ。こうがさんは特別なメッセージを意識したわけではなく、「描きたいことをそのまま描いただけ」と言うが、「読者の心に何かしらの影響を与えられたら嬉しい」と話してくれた。
ペロが去り、寿命を再確認したルナに残されたのは、あと三年。彼女にとっては、たった「一日」だった。静かな余韻があとを引く本作、「余命10⁵年」。ぜひ読んでみてほしい。
取材協力:こうが(@Kouga_ss)
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