■「ただの病院」ではない、高度専門施設のリアル
2025年11月23日、さいたまスーパーアリーナで開催された人気ゲームのライブイベントに際し、会場近くにある「埼玉県立小児医療センター」や「さいたま赤十字病院」のトイレやコンビニを、一般のライブ参加者が利用するケースが相次ぎ、SNS上で大きな問題となっています。
関係者以外立ち入り禁止の看板があるにもかかわらず、更衣室代わりや休憩目的で病院内に立ち入る行為に対し、医療従事者や患者家族からは「命に関わる」と悲痛な叫びが上がっています。
なぜ、これほどまでに問題視されるのか。それは、同センターが一般的な街のクリニックとは異なり、高度な専門医療を提供する「最後の砦(三次救急医療機関)」だからです。
X(旧Twitter)では、実際に同センターを利用する患児の家族や、過去に入院していた当事者から、切実な声が投稿されています。
「あの病院には完全看護と最先端の治療がなければ1週間生きられない子どもたちしかいません。軽い感染症一つが命取りになる子どもたちです。軽い気持ちで入らないで」
同センターには、白血病や小児がん、重い心臓病など、免疫力が極端に低下している子どもたちが多く入院・通院しています。
健康な人にとっては「ただの風邪」でも、彼らにとっては致死的な感染症になり得るのです。
■「ノーマスクで侵入」に現場は恐怖
今回の騒動の発端となった投稿によると、病院内には「関係者以外立ち入り禁止」の看板が掲示されているにもかかわらず、ノーマスクで侵入し、待合スペースでたむろする姿が見られたといいます。
これに対し、白血病でのお子さんを亡くされた経験を持つ保護者が、X上でこう訴えています。
「トイレに勝手に侵入している(しかもノーマスク)人達よ、知ってるか?こういう子と家族が利用しているんですよ…命に関係する場所なんです」

