柳亭小痴楽師匠インタビュー 「北海道には一方的に地元意識を持ってます」
抱腹絶倒のまくら噺と、江戸の風を感じさせる古典落語で人気の若手真打のトップランナー「柳亭小痴楽」師匠が、北海道十勝の音更町にやってきます。2025年12月3日(水)。会場は音更町文化センター大ホール。

故・桂歌丸師匠、三遊亭小遊三師匠、桂米助師匠ら重鎮の評価は高く、面倒見の良さで若手にも慕われる柳亭小痴楽師匠。愛すべきその人柄と「小痴楽落語」の魅力をお伝えすべく、文字通り“師走”を控え益々多忙な小痴楽師匠に電話インタビューのお時間を頂戴しました。北海道との深いご縁の話から、今取り組んでいる落語の演目まで。ここでしか聴けない話をたっぷりお届けします。 (聞き手・文責:SODANE編集部 松倉英男)
柳亭 小痴楽(りゅうてい こちらく)
1988年12月、五代目柳亭痴楽(当別町出身)の次男として東京都に生まれる。
16歳で入門を申し出た途端に父・痴楽が病に伏し、二代目桂平治(現・桂文治)に入門。2005年に初高座を踏む。
2005年に「桂ち太郎」で初高座を踏む。
2008年6月父(痴楽)の門下に移り 「柳亭ち太郎」と改める。
2009年9月 父(痴楽)の没後、ニツ目昇進を機に「三代目 柳亭小痴楽」を襲名。柳亭楽輔(父(痴楽)の弟弟子) 門下へ。
2013年から19年まで活動した若手落語家のユニット「成金」のリーダー。
2019年9月、30歳で真打昇進。
2025年1月、浅草演芸ホールの顔見世興行で三遊亭小遊三師匠から36歳の若さで「主任」を引き継ぎトリを務める。
昨年6月にはロックバンド怒髪天と「ありがとう道新ホール 怒髪天×柳亭小痴楽 二人会 ~落伍者vs落語家~」で“対バン”も。
毎週日曜お昼放送NHKラジオ第1『小痴楽の落語ぞめき』では、寄席の楽屋で騒いでいるという設定で爆笑トークを炸裂。講談社『小説現代』では時代小説の書評も隔月連載。“今最も勢いのある若手落語家”。

「北海道は父の地元」
― 北海道は9月の独演会以来ですか?
小痴楽:9月4日に道新さんのご協力で、札幌にて独演会を開催いたしました。また、先日8月には湧別町に(立川)晴の輔師匠と二人で呼んでいただきました。その他、6月には「札幌落語まつり」に出演しました。
2005年に入門し、前座期間も含めて21年目になります。僕の父(故・五代目 柳亭痴楽師匠)は北海道石狩の当別町出身です。現在、親戚はいませんが、師匠方から「北海道はお父様の地元だから」と、かばん持ちや、落語芸術協会の公演の前座として使っていただくなど、これまでも度々訪れる機会をいただいてきました。独演会や二人会、三人会といった形で看板を掲げて呼んでいただけるようになったのは、ここ5、6年ほどでしょうか。かなり頻繁に伺っています。昨年は特に回数が多く、今年も今度の音更町での公演を含めると5回目になります。

