■長生きの秘訣は「凡人」であること


家族とともにお祝いをする、みや子さんの誕生日。「みや子です。『来年はない』と毎年言いながら、もう20年以上生きています」というあいさつで、一同笑いに包まれる。「いつもクスッと笑わせる祖母の言動は、自然体でしたね。太っていたり、高齢であったり、持病があったりと、高齢になればなっただけネガティブ要素は数えきれないですが、それでも自分を肯定して自分にどこまでも正直で『生きている』ことを楽しむ天才だったなぁと思っています」と、きよまろさんは祖母との思い出を振り返る。


みや子さんは、なかなか「お迎えが来ない」ことを普段からジョークにしていて、病院に運ばれ「今夜が山です」と言われつつも、何度もその山を乗り越えてきた。「このままだと本当に死ねないんじゃないかと、先日息を止めてみました」と、暴露。一斉に家族は驚くが、「苦しいだけでした」という一人コントを披露して、さらなる笑いを誘った。「祖母の中では『死』でさえも肯定的でした。時々、思春期のひ孫が『生きている意味』を問うことがありましたが、戦争や飢えを経験した祖母は『凡人よただひたすらに生きろ』とたびたび説く姿は印象的で、今も鮮明に覚えています」生きることは死ぬこと。生老病死があることこそ人間なのだと、「生」を受け入れ、強く生きる姿は年齢を重ねるほど美しい。
取材協力:きよまろ(@sobomiyako98)
※記事内に価格表示がある場合、特に注記等がない場合は税込み表示です。商品・サービスによって軽減税率の対象となり、表示価格と異なる場合があります。

