デリヘル利用の夫が「本番強要」で逮捕→10日間拘束、高額の示談金支払い 悪質風俗店の「美人局」に弁護士が警鐘

デリヘル利用の夫が「本番強要」で逮捕→10日間拘束、高額の示談金支払い 悪質風俗店の「美人局」に弁護士が警鐘

●「店ぐるみ、個人の美人局どちらもありえる」

本番強要が「冤罪」の場合に、どんな自衛策をとることができるだろうか。

本番強要のトラブルをめぐる相談を受けたことがあり、風俗店の問題にくわしい林本悠希弁護士に取材した。

──風俗サービス(デリヘルなど)で客が本番行為を強要した場合、どんな罪にあたりますか。

不同意性交等罪(刑法177条1項)が成立する可能性があり、法定刑は「5年以上の有期拘禁刑」と非常に重いものになります。

相手にケガを負わせれば、不同意性等交致傷罪(刑法181条2項)となり、「無期または6年以上の拘禁刑」とさらに重くなります。

──いわゆる「美人局」的な悪質な店もありますか。

弁護士としての経験上ですが、店ぐるみの場合も、女性個人でやっている場合もあり得ます。

風俗店で働く女性側から「本番行為を強要された」という相談を受けることもありますが、私自身が美人局に加担しないよう、慎重に次のような状況証拠を確認します。

・被害の具体的状況や証拠関係 ・被害後すぐに警察を呼んでいるか ・精液の付着の有無(付着の場所)の検査をしているか

結果、被害者であるという確信を持てない場合、受任を断ることもあります。

捜査機関としても、このような「密室での出来事」を立証するには、状況証拠に頼るしかありません。行為中の映像や録音があるケースはまずありません。上述したような観点を、捜査機関としても重要視し、証拠集めをするのが基本です。

●警察を呼ばれたら「録音」が重要な証拠になりえる

──身に覚えがないにもかかわらず、通報された場合、まずどうすべきでしょうか。

客側としては、現場で女性から警察に通報するような流れになった段階から、やり取りの録音を始めることをおすすめします。

それが後々、重要な証拠になることもあり得ます。

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たとえば、店の人がホテルまで来て、客に対して「示談金を払え!」などと脅迫してきた場合、このような脅迫の事実をもって「美人局ではないか?」という推定にもつながってきます。

また、警察が来ることがわかった後でも、その場から逃げないでください。

逃げること自体が、不利な証拠になる場合もあり得ます。これは痴漢の冤罪に巻き込まれるケースと同じです。

逮捕された場合には、当番弁護士が当日か翌日に来ると思いますので、それまでは基本的には黙秘してください。そして、逮捕されないとしても、任意の取り調べに応じる前に、弁護士に相談に行くことをおすすめします。

また、そもそも論として、風俗に行くなとまでは言いませんが、店に行く前に、その店の口コミをしっかりと調べ、いわゆる「危ない橋」は渡らないことが一番の予防策になると思います。

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