副鼻腔炎は、鼻の奥にある副鼻腔に炎症が起こる病気で、風邪をきっかけに発症することがしばしばあります。子どもから成人まで幅広い年代にみられ、鼻づまりや鼻水だけでなく、ときに発熱を伴って身体全体の調子を崩すことがあります。副鼻腔炎は風邪やアレルギー性鼻炎と症状が似ているため、自己判断では見分けが難しいです。
この記事では、副鼻腔炎の種類や原因、発熱との関わり、診断の流れ、治療法や自宅での過ごし方を詳しく取り上げます。

監修医師:
林 良典(医師)
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副鼻腔炎の概要

副鼻腔炎にはどのような種類がありますか?
副鼻腔炎は大きく急性副鼻腔炎と慢性副鼻腔炎に分けられます。
急性副鼻腔炎は、風邪に続いて発症することが多く、ウイルス感染の後に細菌感染が加わることで炎症が強まります。発症から4週間以内に改善することが多く、短期間の治療で回復できる場合がほとんどです。
一方、慢性副鼻腔炎は12週間以上炎症が続く状態を指し、自然に治ることは少なく、長期的な治療や管理が必要です。症状が長引くため、生活の質に影響することもあります。
急性副鼻腔炎と慢性副鼻腔炎における症状の違いを教えてください
急性副鼻腔炎の特徴は、発熱、膿性の鼻水、顔の奥の痛みや圧迫感です。おでこや頬、目のまわりが痛むことがあり、頭痛として感じることもあります。鼻水がのどに流れて咳や痰の原因となり、夜間に眠りづらくなることもあります。症状は数日から数週間で改善することが多いですが、重症化すると副鼻腔の膿が広がり、まれに眼や脳へ合併症を引き起こすことがあります。
慢性副鼻腔炎の特徴は、強い発熱は少なく、鼻づまり、嗅覚障害、ねばついた鼻水が長く続きます。咳や痰の原因となり、においや味を感じにくくなることで食欲が落ち、生活の楽しみが減ることもあります。長引く症状は集中力の低下や気分の落ち込みをまねき、日常生活に影響を及ぼします。
なぜ副鼻腔炎になるのですか?
副鼻腔炎は、一つの原因ではなく複数の要因が重なって発症します。よくあるものは、風邪をきっかけとするものです。ウイルス感染によって鼻の粘膜が腫れると副鼻腔の換気や排膿がさまたげられ、そこに細菌が入り込むと膿がたまって炎症が強まります。
鼻中隔の曲がりや副鼻腔の発育の問題といった構造的な要因がある場合も、空気の流れが悪くなり副鼻腔炎を起こしやすくなります。さらに、アレルギー性鼻炎による慢性的な粘膜の腫れや、ほこり・タバコの煙・排気ガスといった環境因子も影響します。
加えて、疲労や睡眠不足、糖尿病などによる免疫力の低下があると炎症が治まりにくく、慢性化や再発の原因となります。このように感染、構造、環境、免疫の状態が複合的に関わって副鼻腔炎は発症します。
副鼻腔炎による発熱

副鼻腔炎で熱が出ることはありますか?
急性副鼻腔炎では炎症が強い場合に発熱を伴うことがあります。子どもにも成人にも発熱がみられますが、子どもでは39度以上の高熱になることがあります。
一方、慢性副鼻腔炎では高熱はまれで、微熱やだるさが続く程度にとどまります。ただし、熱が軽くても症状が長期に持続すると疲労感が強まり、生活に影響することがあります。
副鼻腔炎による発熱と風邪の発熱を見分ける方法はありますか?
風邪による発熱は数日で下がることが一般的です。これに対して副鼻腔炎では、熱や鼻の症状が10日以上続き、いったん軽くなった後に再び悪化することもあります。
鼻水の性状にも違いがあります。風邪の鼻水は透明でさらっとしていることが多いのに対し、副鼻腔炎では黄色や緑色で粘り気が強く、ドロッとしています。さらに、顔の奥の痛みや嗅覚の低下が同時にみられる場合は副鼻腔炎の可能性が高いです。

