日本人にはおなじみの「海藻」が世界の注目フードに
日本で古くから親しまれてきた海藻が、新たな食材として世界から注目を集めています。
これまでワカメ、昆布、海苔など限られた種類が中心だった海藻ですが、陸上養殖技術の発展により、アカモク、ダルス、ウミブドウなど多様な海藻が身近な存在に。
また大丸や三越伊勢丹といった有名百貨店で「海藻フェア」が催され、2025年の目玉イベントのひとつともいえる大阪・関西万博でも海藻が取り上げられるなど、その存在感は増しています。
さらに、レストランでも海藻を使った新しいメニューが続々と登場。パスタやサラダ、スムージーなど、和食以外への活用も広がっています。
これまで「海藻=和食」というイメージが強かったものが、今やイタリアンやフレンチ、カフェメニューにまで進出しているのです。
日本の海藻食文化、実は世界でも特別
海藻は東アジア、特に日本・韓国・中国で数千年以上、日常食として根付いています。日本では約1500種の海藻のうち100種以上を食用に使い、腸内細菌が海藻の多糖類を分解できる独自の体質も進化的に適応した結果だとされています。
これが和食の基盤となり、出汁や寿司など、世界の海藻食の原型を作り上げました。日本人が海藻をおいしく感じ、消化できるのは、長い歴史の中で獲得した能力なのです。

