ブルーカーボン生態系としての役割
温暖化対策としての「ブルーカーボン生態系」という観点からも、海藻は注目されています。ワカメや昆布などの海藻類が二酸化炭素を吸収し、気候変動対策に貢献するという事実が、環境意識の高い消費者の関心を集めているのです。
海藻は成長する過程で大量のCO2を吸収します。しかも陸上の植物と違い、農薬や肥料、淡水を必要とせず、海という広大な空間で育つため、環境への負荷が極めて少ない。まさに「地球に優しい食材」なのです。
世界市場も拡大、プラントベース食品の原料としても期待
国内では陸上養殖技術が盛り上がりを見せています。企業による海藻の陸上養殖プロジェクトも始まっています。
すし作家・海藻料理研究家の岡田大介さんは「魚の減少やブルーカーボンといった環境視点からの再評価が進み、海藻へ関心を寄せるのはシェフなどのプロから一般家庭へと拡大しつつあります 。家庭での普及のカギは「野菜と同じ感覚で使うこと」と言います。
家庭で海藻を使うポイントとしては酢の物や煮物といった和食の固定観念を超え、油や乳製品と合わせること。パスタや焼きそば、韓国料理など、日常のメニューに加えるだけで驚くほど馴染むそうです。
また「来春には東京駅に『海藻ラーメン専門店』もオープン予定で、今後も海藻の魅力を体験できる場は増加します。美味しさとサステナビリティを兼ね備えた海藻は、脇役ではなく次世代のスタンダードな食材として定着していくでしょう。」と岡田さんは予測しています。

