健康診断で「血圧が上90、下50」だった時に気をつけたい病気・疾患
ここではメディカルドック監修医が、血圧が上90、下50の場合に気をつけたい病気を紹介します。
どのような症状なのか、他に身体部位に症状が現れる場合があるのか、など病気について気になる事項を解説します。
低血圧
低血圧は一般的に100/60mmHg以下の状態を言います。低血圧の多くは本態性低血圧であり、特別な原因疾患がないと言われています。
本態性低血圧の場合、症状が無ければ治療の必要はありません。低血圧の症状として見られやすいものは、立ちくらみ、めまい、朝が起きにくい、頭痛、疲労感などです。本態性低血圧は、男性より女性に多く、やせ型で虚弱な方に多いと言われています。規則正しい生活、バランスの良い食事や運動などを取り入れることで改善することもあります。
二次性低血圧は、心臓疾患やホルモン異常、出血や脱水による影響などが考えられます。二次性低血圧の場合には、まず原因を調べこの治療をすることが優先されます。
低血圧があり、日常生活に支障が出る場合には、内科・循環器内科を受診して相談をすると良いでしょう。
糖尿病
糖尿病とは、インスリンの作用不足により血糖値が高い状態が続く病気です。高血糖が何年も続くと、血管が傷つき糖尿病の合併症がみられるようになります。高血糖により細い血管が傷つき生じる合併症で代表的なものは、糖尿病性神経障害・糖尿病網膜症・糖尿病性腎症です。このうち、糖尿病性神経障害が生じると自律神経障害がみられることもあります。この、自律神経障害の症状として、起立性低血圧などがみられることもあり、注意が必要です。
副腎機能不全
副腎からはいろいろなホルモンが分泌されており、副腎の機能が低下すると、これらのホルモンの分泌が低下するために、さまざまな症状がみられるようになります。副腎機能不全は、副腎自体に病変がある原発性副腎不全(アジソン病)と下垂体の副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)分泌不全による続発性に分けられます。また、アジソン病は先天性のものと感染症などが原因となる後天性のものに分かれます。アジソン病の患者数は約1000人と推定されており、それほど患者数は多くありません。
アジソン病の症状としては、全身倦怠感、筋力低下、体重減少、食欲不振、悪心、精神症状(無気力、うつ)などです。また、低血圧がみられることも少なくありません。治療は、副腎ホルモンを補充することです。副腎不全の症状は、特徴的なものがなくわかりにくいことも多いです。気になる症状が続く場合には、内科・内分泌内科を受診すると良いでしょう。
心筋症
心筋症は、心機能障害を伴う心筋疾患と定義されています。心筋症には、拡張型心筋症、肥大型心筋症と拘束型心筋症などがあります。拡張型心筋症は心筋が薄く拡大し、肥大型心筋症は心筋が厚くなり、拘束型心筋症は心筋が硬くなる特徴があります。これらの心筋症は、遺伝子異常がある事が少しずつ分かってきましたが、未だ原因がはっきりと分かっていないことが多いです。また、このほかにも感染症や自己免疫疾患、内分泌疾患、心筋炎などに伴い心筋症がみられることもあります。心筋症の初期は症状がみられないことも多いです。病状が進行すると、息切れや足のむくみなど心不全に伴うさまざまな症状がみられます。また、心不全に伴う低血圧を伴うこともあるため注意が必要です。
動悸や息切れなどの症状、また健康診断などで心電図異常や胸部レントゲンで心拡大などを認めた場合には、循環器内科を受診して相談してみましょう。
心臓弁膜症
心臓は4つの部屋に分かれており、これらの部屋を血液が流れる際に逆流しないように4つの弁があります。弁はそれぞれ、大動脈弁、僧帽弁、肺動脈弁、三尖弁と呼ばれ、それぞれの弁に不具合がおこったものが弁膜症です。弁が障害されると、弁の通過障害(狭窄症)と弁の逆流(閉鎖不全症)が起こります。これらの弁の機能不全が進行すると、心臓の中の血行動態に異常が起こり、重度となると心臓の動きも悪くなり心不全を起こします。
弁膜症が軽度である場合には、通常症状はありません。しかし、進行して心不全を起こすと動悸や息切れ、呼吸苦などみられ浮腫などを伴うこともあります。また、心不全に伴い血圧が低くなり低血圧がみられることもあります。健康診断などで心雑音を指摘されたり、胸部レントゲンでの心拡大などがみられる場合には循環器内科で相談をしましょう。
「血圧検査で上が90、下が50」だった時の正しい対処法・改善法は?
低血圧で運動しても大丈夫?
低血圧であっても、症状がない場合には運動をしても問題はありません。しかし、運動をすると息切れ、動悸、苦しいなどの症状がある場合には心不全など他の原因に伴い低血圧が起こっている可能性もあるため、循環器内科を受診しましょう。
血圧を上げるおすすめ食べ物はある?
血圧は塩分摂取をすると上がる可能性はありますが、過剰な塩分摂取はお勧めできません。日本人の食事摂取基準(2025年版)では塩分の1日の摂取目標として男性で7.5g女性で6.5gとしています。この程度の塩分の摂取とし、バランスよく食事をすることが大切です。特に虚弱体質の方での低血圧がみられやすいため、タンパク質を適量とり、適度な運動、規則正しい生活をすることがすすめられます。
低血圧で具合が悪くなった場合の対応は?
低血圧で立ちくらみやめまいなど具合が悪くなった場合には、まず横になって休みましょう。安静にすることで症状がすぐに落ち着く場合には、問題がないことが多いですが、動悸や息苦しい症状が長く続いたり、少し動いただけでも何度も具合が悪くなる場合には循環器内科で相談をしましょう。

