妊娠判明したころの違和感
そんな奈美子さんに、少しずつ違和感を覚え始めたのは、ちょうど去年の今ごろ。私の妊娠が判明したころからだった。
私にとって、この妊娠は本当に待ち望んだものだった。子どもをなかなか授かれず、不妊治療を続けていた中、やっと、やっと小さな命を授かったのだ。妊娠がわかった瞬間は、喜びで涙が止まらなかった。
私はその喜びを、一番に報告したいと思い、奈美子さんに電話をした。
「奈美子さん!私、妊娠したよ!本当に、やっと!」
電話口で弾む私の声に、彼女は少しの沈黙の後、いつもの明るいトーンとは違う、どこか冷たい声で言ったんだ。
「そっか。良かったじゃん」
その冷たい感覚すらある一言にちょっとした違和感を覚えたけれど、ただ疲れているのかな、と思う程度だった。でも、このあと私は奈美子さんについて「おかしい」と感じるできごとを数多く体験することになる。
あんなに仲が良かった奈美子さんとの関係が思ってもみない方向に進んでいくなんて、この時はまだ知る由もなかったのだ―――。
あとがき: 善意の仮面
里美にとって奈美子さんは、仕事の悩みや人生経験を相談できる頼れる存在でした。サバサバとした明るい性格と、シングルマザーとして健気に頑張る姿に、里美は心から共感し、信頼していたはずです。しかし、里美の「幸せな妊娠」が、二人の関係を試す試金石となってしまいました。
この違和感は、奈美子さんの「善意」の裏に隠された、里美には想像もつかないような強い感情が芽生え始めたサインだったのかもしれません。信頼から始まった関係が、これからどう歪んでいくのか、里美の不安は募ります。
※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています
記事作成: ゆずプー
(配信元: ママリ)

