恋愛脳だと思われていた野々花ですが、今は彼氏がいないことが判明。入社前にフラれた彼氏への未練が捨てきれないようです。「ダァ」の話はすべて妄想…この噂は社内にも広がりますが、肝心の野々花は欠勤を続けていて…。
欠勤続きの野々花宅を訪問
野々花の「ダァ」は、まさかの妄想彼氏。彼女のそんな噂は社内に一気に広まり、話題の的になった。スキャンダラスで下世話な内容ではあるが、彼女から迷惑を被っていた人たちにとっては格好の話題になってしまったようだった。
彼女が欠勤を続けているのは、ミーティングで泣いたからではなく、この事実が同期にバレたからのようだ。推測した私は、少しだけ彼女に同情した。そして翌週、新人研修担当だった私と清水部長で、彼女の自宅を訪問した。久しぶりに見る野々花は疲れ切った表情で、私たちを出迎える。
「私、もう会社を辞めたいです」
そんな彼女の言葉を、清水部長と私は静かに受け止めた。
伝えたい彼女へのメッセージ
彼女の退職の意向は受け止めつつ、私は最後にひとこと、彼女に伝える。
「次に働く時は、ちゃんと公私混同しないようにしてね」
野々花は不貞腐れたように聞いている。でも、次の言葉は彼女の琴線に多少触れたらしい。
「自分をしっかり持たないと、今後も恋愛に振り回されてしまうよ。あなたは、自分の幸せをまず第一に考えないとね」
「自分の幸せ…?」
隣の清水部長は「何を言ってるんだ」といった目つきを私に向ける。たしかに今までの野々花の行動は、自分第一のように見えただろう。でもその内容は、自分の幸せには向いていない。だから、不毛な恋愛に振り回されたのだと、私は思っていた。
妄想するほどに彼氏に固執しているのも、それを周りに言いふらしてしまうのも…自分を客観的に見られず、大切にできていないからだろう。
「自分を大切にしたらきっと、周りを見る余裕も生まれるからね」
私がそう言うと、野々花は静かに顔をうつむける。
「…頑張ってみます」
とだけ答え、手元からそっと辞表を提出した。

