肩腱板断裂の前兆や初期症状について
肩腱板断裂でははっきりした初期症状はなく、多くの場合、徐々に現れて時間とともに進行します。一般的な症状は肩の痛みで、特に腕を頭上に挙げる動作や、横向きに寝ている時に強く感じます。痛みは夜間に悪化し、睡眠を妨げることもあるのが特徴です。
肩の可動域が制限されることも初期に見られやすい症状の一つです。腕を挙げる際や背中に回す動作で違和感や制限を感じることがあります。筋力低下が起こることにより、重いものを持ち上げる動作や腕を上げた状態で保持する動作も困難になる可能性があります。
これらの症状は、最初は軽度で断続的に現れることが多いですが、放置すると徐々に出現頻度や痛みの強さが増加します。腱板の一部が断裂している状態でも、初期では症状がほとんど現れないこともあるため、軽い違和感や不快感でも継続する場合は、早期に医療機関を受診することが大切です。
肩腱板断裂の検査・診断
肩腱板断裂の診断には、複数の検査方法が組み合わせて用いられます。まずは、発症した原因を探るために、患者の症状、痛みの性質、日常生活や仕事で困難な動作、過去の怪我や活動歴などについて問診を行います。
次に、筋委縮の確認、肩の可動域の確認、筋力テスト、特定の動きによる痛みの誘発などの身体所見の確認を行います。特に、ホーキンステストやペインフルアークテストなど、腱板の機能を評価する整形外科的テストが主要です。問診と初期評価の後は、画像診断を行い、X線検査で肩峰の骨棘や肩峰骨頭間距離などを確認します。X線検査では腱自体の損傷を直接見ることはできないため、超音波検査やMRI検査も用いられます。
超音波検査は、非侵襲的で動的な評価が可能であり、腱板の状態をリアルタイムで観察できるメリットがあります。一方、MRI検査は腱板の細かな構造や周囲の軟部組織の状態を高解像度で捉えられるため、断裂の程度や範囲を正確に評価するのに適しています。場合によっては、造影剤を用いたMR関節造影検査を行って、小さな断裂や部分断裂の診断精度を高めます。

