ナルコレプシーとは睡眠障害の1種です。日中いきなり居眠りを繰り返す、一見怠けているようにも見える病気です。
学業や仕事にも差し障り、なによりも周りの理解が得られないことが大きな苦痛になります。
自分ではコントロールができない眠気のため、仕事や日常生活にも制限がかかります。
そのため、会社勤めの場合は退職を余儀なくされることも少なくありません。ここでは、ナルコレプシーという病気を解説します。
また、ナルコレプシーの患者さんが日常生活を送るためのポイントも解説します。
※この記事はメディカルドックにて『「ナルコレプシー」とは?原因についても詳しく解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

監修医師:
工藤 孝文(工藤内科)
日本内科学会・日本糖尿病学会・日本肥満学会・日本東洋医学会・日本抗加齢医学会・日本女性医学学会・日本高血圧学会、日本甲状腺学会・日本遠隔医療学会・小児慢性疾病指定医。
患者さんが無理なく日常生活を送るポイント

周囲はどのようにサポートすればいいですか?
ナルコレプシーという病気に対して、理解することが大切です。患者さんは、目が覚めているときは能力を発揮しますが、すぐに居眠りをしてしまいます。また、半分眠りながら仕事をして、失敗をすることも少なくありません。
周りの理解がないと「さぼっている」「能力が低い」という評価になります。そのため、休職・復職・転職を繰り返す傾向があるのがナルコレプシーです。
家族を含め周囲は、まず病気であることを理解してあげましょう。
周りの理解が得られないことで、症状が悪化する可能性もあります。勤務先も昼寝タイムを用意して、本人が能力を発揮できる体制を整えることを期待されています。
患者さん自身が気をつけることはなんでしょうか?
ナルコレプシーの症状を改善するためには、規則正しい生活が必須です。
まず夜更かしを避けて、早く寝るようにしましょう。患者さんには、夜型生活をする人が多い傾向があります。特にフリーランスなどで在宅で働く方は「昼は眠くなるから夜に働く」という人も少なくありません。しかし、夜更かし生活は症状を悪化させるリスクがあります。
治療は何十年と続くことが予想されます。完治を目指すのではなく、薬を服用せずに病気をコントロールできるようになるのが治療のゴールです。
最後に、読者へのメッセージをお願いします。
居眠りが続くようなら、医療機関に相談することをおすすめします。
多くの人は内科を訪れますが、ナルコレプシーに詳しい内科医はあまりいません。ナルコレプシーの診察なら精神科、できれば睡眠障害を研究している精神科がおすすめです。遠くて通院が大変ならば、病院に相談して近くの専門医を紹介してもらいましょう。
また、自分自身で病気を理解することが肝心です。社会生活では、他の人に病気に対する理解を求めることが必要になります。そのときに、きちんとナルコレプシーの説明をする必要があるからです。
編集部まとめ

ナルコレプシーは命に別状はなく、「眠れるのだから問題ない」という医師もいるほどです。しかし、患者さん本人には特有の悩みや苦しみがあります。
さらに「居眠りでしょ」という、周りの理解の無さが追い打ちをかけます。完治する可能性は低く、発症から10年20年と治療が続くケースが多いのも苦痛です。
しかし、きちんと専門医にかかり、通院を続けていると上手に病気と付き合っていくことも可能です。
また、10年も治療を続けると半分近くの患者さんが、薬がいらない程度に改善すると報告されています。
まずは信頼できる睡眠障害の専門医に相談をしましょう。
参考文献
Q44:ナルコレプシーの原因や症状について教えてください。|日本小児神経学会

