受診のタイミングと診るべき科

「最近見えにくいけど、まだ我慢できるから」と放置していませんか? 老眼は自然な現象とはいえ、見え方の変化が急だったり、左右で差がある場合は別の病気が隠れている可能性もあります。
次のようなときは眼科を受診しましょう。
【受診の目安】
■近くも遠くも見えづらくなった
■急に視力が落ちた、または片目だけ見えにくい
■光がまぶしく感じる、視界がゆがむ
■糖尿病や高血圧など、目に影響を与える持病がある
老眼だけでなく、白内障・緑内障・網膜疾患などが見つかることもあります。まずは眼科で診察を受け、自分の目の状態を正確に知ることが大切です。
治療法としては、老眼鏡や遠近両用メガネ、多焦点コンタクトレンズなどの「補正」が中心です。最近では、ピント調節を助ける点眼薬の研究や治験も進んでおり、選択肢は増えています。
「年齢のせい」だけではない、老眼との付き合い方
老眼は“老い”の象徴のように感じてしまうかもしれませんが、実は「目の調節力の変化」というだけの自然な現象です。眼鏡や照明を工夫すれば、読書もスマホもこれまで通り楽しめます。
むしろ、「最近見えにくい」と感じた瞬間は、自分の体を見つめ直すきっかけ。無理せず、心地よい視界を取り戻すことで、仕事も趣味もぐっと快適になるはずです。
まとめ
老眼は、40代を過ぎれば誰にでも訪れる“目のライフステージの変化”です。けれども、生活環境やケア次第で、その進行や不快感を大きく軽減できます。「明るい環境で目を使う」「適度に遠くを見て目を休ませる」「自分に合った老眼鏡を早めに用意する」この3つを意識するだけでも、日常の見え方が大きく変わります。「年だから仕方ない」と思わず、今日から少しずつ「目のセルフケア」を始めましょう。
※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。
※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。
監修/倉員敏明先生(医療法人創光会くらかず眼科 理事長)
大学卒業後、九州大学心臓外科に入局し、外科医として多くの手術に携わる。その後、眼科へと転科し、くらかず眼科を開業。外科医として培った高度な手技と豊富な臨床経験を活かし、眼科領域においても手術を中心とした医療を提供している。クリニック最大の特徴は、「手術に特化」していること。通常は入院が必要とされるような難症例にも日帰りで対応し、大学病院で対応が難しいとされたケースの受け入れも積極的におこなっている。
著者/シニアカレンダー編集部
「人生100年時代」を、自分らしく元気に過ごしたいと願うシニア世代に有益な情報を提供していきます!

