小学3年生の息子を持つ亜紀さん(仮名・37歳)は、ある日を境に子どもの友人関係に悩むようになったんだそう。発端は、ある1人の女子が親から教わっていた「レディファースト」という言葉からだったのです。
いつも「女子が先」。不満が溜まる男子たち
「息子は放課後、校庭で遊ぶのが日課になっていて、普段から10人ほどの男友達と鬼ごっこやドッジボールをして遊んでいました。普段は男子だけだったのですが、人数が多い方が楽しいとのことで近くで遊んでいたクラスメイトの女の子たちとも次第に一緒に遊ぶようになったようです。息子からは『早紀ちゃん(仮名)、ちょっと気が強いんだよね』なんて話は聞いていましたが、『いろんな子がいるよね~』と特に気に留めていなかったんです。早紀ちゃんはクラスの女子の中心的人物で、私も何度か学校に行った際『やたら仕切ってる子いるな~』くらいに認識はしていました。その時は、まさかトラブルに発展するなんて考えもしませんでした」
何気なくしていた息子との会話が、この先後を引くことは知る由もなかった亜紀さん。子どもたちの遊びの中で何が起こったのでしょうか。
女子を優先して! お母さんが言ってたもん!
「女子たちも交えてみんなで遊ぶようになってから、自己主張の強めな早紀ちゃんが、遊びの順番決めをするときになると『女子が先なんだよ!』と毎回言っていたんだそうです。男子たちが『なんで?』と聞くと『男子は女子に優しくしなきゃいけないんだよ! レディファーストして! お母さんが言ってたもん』と言われたんだとか。最初のうちは男子も笑いながら『しょうがないな~』と譲っていたそうですが、早紀ちゃんはどんどんエスカレートしていき、ドッジボールで当たっても、鬼ごっこでタッチされても『レディファーストだから今のはなし!』と強気だったようです」
最初のうちは受け入れていた男子たちも、毎回このやり取りが続くうちに少しずつ不満が溜まっていったそう。
「息子はルールを守りながら本気で遊びたいタイプだからこそ、早紀ちゃんの度重なる“レディファースト”発言に我慢ができなくなり、『順番はじゃんけんで決めようよ。女子だからって今のはなしとかにしてたら遊べないじゃん』と言ったようです。
その瞬間、早紀ちゃんは顔をしかめてポロポロと泣き出し、『帰る!』と走って帰ってしまい、その日は気まずい空気のまま解散する流れになったようでした」

