
入浴直後に布団に入ると睡眠の質が悪化する理由とは?(画像はイメージ)
【要注意】あなたはやってない!? これが、睡眠の質を悪化させる“NG行為”です(画像6枚)
寒い時期は入浴後、体が温まった状態で布団に入りたいと思う人が多いと思います。しかし、入浴直後に布団に入ると寝付きが悪くなることがあります。そもそも、良質な睡眠を取りたい場合、入浴は就寝の何時間前までに済ませるのが理想的なのでしょうか。体温と睡眠の仕組みや、寒い時期の入浴後の過ごし方などについて、上級睡眠健康指導士の山本智子さんに聞きました。
入浴直後に寝ると「深部体温」がうまく下がらず睡眠の質に影響
Q.入浴は就寝の何時間前に済ませておくのが理想なのでしょうか。理由も含めて、教えてください。
山本さん「ぬるめのお湯につかるのであれば、就寝の1時間半から2時間前、少し熱めの40度以上のお湯につかる場合は就寝の約3時間前までに入浴を済ませるのがよいと思います。
スムーズな寝付きには体温の変化が関係しています。脳や内臓の温度である『深部体温』が下がることが必要なんですね。風呂に入って温められ、一旦上昇した深部体温は、1時間半から2時間くらいかけて少しずつ下がっていきます。この体温が下がるタイミングを利用するとスムーズな寝付きにつながりやすくなるため、お好みの温度によって入浴のタイミングを調整していただくとよいでしょう」
Q.寒い冬は入浴直後に布団に入りたくなることが多いと思います。気温が低い時期の場合、入浴直後に布団に入っても問題はないのでしょうか。理由も含めて、教えてください。
山本さん「入浴直後に布団に入るのはお勧めできません。入浴直後は深部体温が上がったままの状態にあるため、そのまま布団に入ると体に熱がこもってしまいます。その結果、スムーズな寝付きに必要な深部体温の低下が妨げられてしまうのです。寝つきが悪くなったり、睡眠の質が低下したりする可能性があるので、入浴直後の就寝は控えるようにしましょう」
Q.気温が低い時期は入浴後、寝るまでの間にどのように過ごすとよいのでしょうか。
山本さん「まずは、入浴時にしっかりと湯船につかり、体の芯まで温めることが大切です。風呂上がりの湯冷めが気になる場合は『あらかじめ室内を暖めておく』『吸湿性や保温性の高いパジャマを選ぶ』など、睡眠環境を整えておくと効果的です。また、入浴後には、スムーズな入眠につながるリラックスタイムを設けてみましょう。さゆや温かいノンカフェインのお茶などをゆっくり飲むのもよいと思います」
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風呂で上がった深部体温がゆっくりと下がることで、人は自然に眠りに入りやすくなることが分かりました。入浴直後に寝てしまうと、深部体温が下がらず、かえって睡眠の質を下げてしまうということです。質の良い眠りのためには、ぬるめのお湯なら就寝の1時間半までに、熱めのお湯であれば就寝の約3時間前までを目安に入浴を済ませましょう。湯冷めが心配な場合は「寝室を暖めておく」「入浴後にリラックスする時間を設ける」など快適に過ごせる工夫を取り入れてみてください。
