非正規品はここまで増えている! ニセモノの浄水カートリッジの危険性
浄水カートリッジの模倣品・互換品の危険性についてのプレゼンテーションのパートでは、LIXIL 水栓開発部の佐藤一博さんが登壇しました。近年の浄水カートリッジ市場について、佐藤さんは「正規品と見分けがつかない模倣品が急増している」と深刻な現状を語りました。

LIXIL 水栓開発部 佐藤一博さん
LIXIL・INAXが展開する15種類の浄水カートリッジのうち、2024年までに14種類で非正規品が出回っているといい、「見た目はほとんど同じなのに、中身はまったく性能が伴っていないものばかりです」と話します。

純正品と模倣品の比較。見た目では違いがまったくわからない
佐藤さんによると、LIXILの正規カートリッジは天然素材にこだわり、焼き物技術を生かしたセラミックフィルターや、高い吸着性能を持つ活性炭を採用。さらに国内製造にこだわり、細かな品質管理を徹底しているといいます。
しかし一方で、これまでLIXILが大手ECサイトで購入して検証した模倣品約81点は「すべて基準を満たしていなかった」とのこと。

大手ECサイトでの購入にも注意が必要
なかにはフィルター部分が布のような素材を巻いただけのものもあり、「浄水能力は正規品の半分、ものによっては6分の1以下」という衝撃的なデータも明かされました。

非正規品が出回り始めた当初は、フィルターにティッシュが詰め込まれていたこともあったそう!
「正規品を買ったつもりで、実はろ過できていない水を口にしてしまっている可能性がある」と佐藤さん。特に子どものいる家庭では、安全だと思って選んだものが逆にリスクとなりかねないとして、強い注意と同社公式サイトでの購入を呼びかけました。
てぃ先生が語る「模倣品の怖さ」と「選ぶ基準」
続いては、現役保育士で育児アドバイザーとしても人気のてぃ先生と、LIXILで浄水の研究を担当している三上歩さんが登壇。「模倣品・互換品が子どもにもたらす危険性」をテーマにトークセッションを行いました。

【左】LIXILで浄水の研究を担当している二児のママ・三上歩さん
【右】現役保育士で育児アドバイザーのてぃ先生
てぃ先生は、育児用品に広がる模倣品の実態について「おもちゃや育児グッズの中には、見た目は魅力的でも、日本の安全基準を満たしていないものがたくさんあります」と話し、実際に指をケガしたり、小さな部品を誤飲してしまった例が身近でも起きていることを紹介しました。
これに対し三上さんも、「最近は本当に見分けがつかない。分解して中身や性能を調べてようやく判別できるケースが多い」と話し、消費者が自力で判断するのは難しい現状を明かしました。特に浄水カートリッジは中身を目で確認できないため、性能の違いが生活に直結しやすい点も指摘されました。

そうした背景から、てぃ先生は「安さに惹かれる気持ちはすごくわかるんですが、安心まで“セット”で買うと思えば、公式サイトや正規ルートで買うのが一番だと思います」とアドバイス。見た目だけで判断できなくなっている時代だからこそ、購入先を絞ることが唯一の対策だと強調しました。

てぃ先生はトークセッションのまとめとして、「水もおもちゃも、子どもが毎日使うもの。そこに不安を残すと、親もずっと心配を抱えたままになってしまう」とコメント。子どもの安全を守るためには、“確かなものを選ぶ”というシンプルな基準が、いま最も重要だと語りました。
