「副鼻腔炎」を疑う「咳の特徴」はご存知ですか?咳が出る原因も解説!【医師監修】

「副鼻腔炎」を疑う「咳の特徴」はご存知ですか?咳が出る原因も解説!【医師監修】

副鼻腔炎は、風邪やアレルギーをきっかけに鼻の奥の炎症が長引く病気です。多くの方が鼻づまりや鼻水といった症状を思い浮かべますが、実際には咳が続く原因となることもあります。特に夜間や朝方に強く出る咳は、気道そのものの病気ではなく、副鼻腔からの分泌物がのどに流れ込む後鼻漏(こうびろう)によって起きている場合があります。このような咳は、風邪や気管支炎が治った後にも残ることが多く、長引くことで日常生活に支障をきたすことがあります。一方で、咳を起こす病気には喘息やアレルギー性疾患、胃食道逆流症などもあり、症状だけで原因を見分けるのは容易ではありません。

この記事では、副鼻腔炎による咳の特徴や仕組み、ほかの病気との違い、そして受診・治療・自宅でのケア方法を解説します。

林 良典

監修医師:
林 良典(医師)

名古屋市立大学卒業。東京医療センター総合内科、西伊豆健育会病院内科、東京高輪病院感染症内科、順天堂大学総合診療科、 NTT東日本関東病院予防医学センター・総合診療科を経て現職。医学博士。公認心理師。日本専門医機構総合診療特任指導医、日本内科学会総合内科専門医、日本老年医学会老年科専門医、日本認知症学会認知症専門医・指導医、禁煙サポーター。
消化器内科
呼吸器内科
皮膚科
整形外科
眼科
循環器内科
脳神経内科
眼科(角膜外来)

副鼻腔炎の症状と原因

副鼻腔炎の症状と原因

副鼻腔炎とはどのような病気ですか?

副鼻腔炎は、鼻の奥にある複数の空洞(副鼻腔)に炎症が起こり、膿や分泌液がたまる病気です。副鼻腔は額のうしろ、目の奥、頬の内部、鼻の奥などに広がっており、空気の通り道として鼻の換気や声の響きに関係しています。この部分の粘膜が腫れると通気が悪くなり、膿が排出されにくくなって炎症が続きます。急に発症して4週間以内に改善するものを急性副鼻腔炎、3ヶ月以上症状が続くものを慢性副鼻腔炎と呼びます。炎症の部位によって痛みの場所や症状の出方が異なり、放置すると再発をくり返すこともあります。

参照:
『急性鼻副鼻腔炎診療ガイドライン2010 年版』(日本鼻科学会)
『慢性副鼻腔炎』(東京都健康長寿医療センター)

副鼻腔炎の主な症状を教えてください

代表的な症状は、鼻づまり、粘り気のある鼻水、においが感じにくい、顔の重さや頭の奥の痛みなどです。炎症が強い場合は、膿がのどに流れ込み、違和感やせきが出ることもあります。これは後鼻漏と呼ばれ、副鼻腔炎でよくみられる症状です。また、慢性化すると鼻水や鼻づまりが軽くても、倦怠感や集中力の低下など全身の不調につながる場合があります。

なぜ副鼻腔炎になるのですか?

主な原因は、風邪やインフルエンザなどによるウイルス感染です。鼻やのどの粘膜が炎症を起こすと、副鼻腔と鼻をつなぐ通り道がふさがれ、膿がたまりやすくなります。そこに細菌感染が加わると、炎症がさらに悪化します。また、アレルギー性鼻炎や花粉症がある方は、粘膜が腫れやすく、副鼻腔炎をくり返す傾向があります。加えて、鼻中隔のゆがみやポリープ(鼻茸)、喫煙、気圧の変化なども発症に関係します。

参照:
『急性鼻副鼻腔炎診療ガイドライン2010 年版』(日本鼻科学会)
『慢性副鼻腔炎』(東京都健康長寿医療センター)

副鼻腔炎で咳が出る理由とほかの疾患による咳との違い

副鼻腔炎で咳が出る理由とほかの疾患による咳との違い

副鼻腔炎が原因で咳が出ることはありますか?

はい、副鼻腔炎が原因で咳が出ることがあります。副鼻腔内にたまった膿や分泌液がのどへ流れ落ちる後鼻漏が起こると、のどの粘膜が刺激されて咳が続くようになります。気管支そのものに炎症がなくても、後鼻漏による刺激だけで咳が出ることがあるため、気管支炎や風邪の治りかけと誤解されることがあります。特に、横になると膿がのどへ流れやすくなるため、夜間や朝方に咳が強く出やすいのが特徴です。

副鼻腔炎による咳の特徴を教えてください

副鼻腔炎による咳は、乾いた咳ではなく、のどに何かが落ちてくるような違和感を伴う湿った咳として現れることが多いです。痰が少し出ることもありますが、胸の奥がゴロゴロするような音はあまりみられません。夜に悪化しやすく、朝起きたときに強く出る傾向があります。また、咳止めを服用しても改善が乏しい一方で、副鼻腔炎の治療を進めると咳が軽くなるケースが多いです。鼻をかんでもすっきりせず、のどの刺激感が続く場合、副鼻腔炎が関与している可能性があります。

なぜ副鼻腔炎で咳が出るのですか?

副鼻腔炎では、炎症によって粘膜が腫れ、副鼻腔から鼻への通り道が狭くなります。その結果、膿や粘液が副鼻腔のなかにたまり、鼻の奥からのどへと流れ落ちていきます。この分泌物がのどの粘膜を刺激し、咳を引き起こします。炎症が長く続くと、のどの粘膜が過敏になり、わずかな刺激でも咳が出やすくなります。さらに、鼻づまりによって口呼吸が増えると、のどが乾燥して炎症が悪化しやすく、咳が長引く原因となります。

副鼻腔炎による咳とほかの疾患による咳に違いを教えてください

副鼻腔炎による咳は、のどの刺激感や鼻水・後鼻漏を伴う点が特徴です。気管支炎では胸の奥がゼーゼーするような咳が出やすく、喘息では呼吸時にヒューヒューと音がすることがあります。アレルギー性鼻炎では、透明な鼻水とくしゃみが中心で、咳は軽度です。胃食道逆流症では、胃酸がのどを刺激して咳を誘発しますが、鼻の症状はみられません。このように、副鼻腔炎による咳は、鼻の奥で起きた炎症がのどへ影響することで生じ、鼻水や鼻づまりなどの鼻の症状を同時に伴う点が、ほかの疾患による咳との違いです。

配信元: Medical DOC

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