副鼻腔炎による咳の検査と診断、対処法

副鼻腔炎によるものと思われる咳が続くときは何科を受診しますか?
咳が長く続く場合は、まず耳鼻咽喉科の受診が適しています。副鼻腔炎による咳は、のどや気管支ではなく、鼻の奥の炎症が原因になっていることが多いためです。特に、後鼻漏や鼻づまり、においの低下を伴っている場合には、副鼻腔炎が関係している可能性が高いです。一方、息苦しさや胸の音が気になる場合は、呼吸器内科での診察も検討されます。鼻とのどの両方を確認しながら、どこに炎症の中心があるかを見極めることが、適切な治療につながります。
咳で受診をしたときの病院での検査内容と診断の流れを教えてください
診察では、まず問診で咳の出方や持続期間、鼻やのどの症状の有無を確認します。その後、鼻内をファイバースコープで観察し、膿や粘膜の腫れがないかを調べます。必要に応じてレントゲンやCT検査で副鼻腔の状態を確認し、膿がたまっている部位や炎症の広がりを把握します。診断は、鼻の症状と画像所見、後鼻漏の有無などを総合的に判断して行われます。
副鼻腔炎による咳はどのように治療しますか?
治療の基本は、炎症を抑えて副鼻腔の排膿を促すことです。急性の副鼻腔炎では、細菌感染が関与していると考えられる場合に抗菌薬を使用し、同時に粘膜の腫れを取る点鼻薬や抗炎症薬を併用します。慢性副鼻腔炎では、マクロライド系抗菌薬を少量で長期間使用する治療が行われることがあります。また、アレルギーが関係している場合には、抗ヒスタミン薬やステロイド点鼻薬で炎症を抑えます。これらの治療により、後鼻漏が減少して咳が改善することが多いです。手術が必要なケースでは、副鼻腔の通りを改善する内視鏡手術を検討します。
自宅でできる副鼻腔炎による咳の対処法を教えてください
自宅では、鼻の通りをよくして後鼻漏を減らす工夫が役立ちます。蒸しタオルで顔を温めると血流が促され、膿が排出されやすくなります。加湿器を使用して室内の湿度を保ち、乾燥を防ぐことものどの刺激をやわらげます。水分を多めにとると痰が切れやすくなり、咳が軽くなる傾向があります。就寝時には頭を少し高くして眠ると、膿がのどに流れ込みにくくなります。また、喫煙は粘膜の炎症を悪化させるため控えることが望ましいです。咳が続く場合には、自己判断で市販薬を使用せず、早めに耳鼻咽喉科で診察を受けることが重要です。
編集部まとめ

副鼻腔炎による咳は、気管支炎や喘息とは異なり、鼻の奥で起こる炎症が原因で生じます。副鼻腔にたまった膿や分泌液がのどへ流れる後鼻漏が刺激となり、夜や朝方に咳が強く出ることがあります。咳止めでは改善しにくく、長引く場合には副鼻腔炎が関係している可能性があります。
咳が続くときは耳鼻咽喉科で鼻や副鼻腔の状態を確認し、炎症を治療することが大切です。抗菌薬や点鼻薬の使用で炎症が落ち着けば、咳も次第に軽くなります。自宅では、加湿や水分補給、顔を温めるなどの工夫が有効です。副鼻腔炎による咳は、原因を見極めて適切に治療すれば改善が期待できます。
参考文献
『急性鼻副鼻腔炎診療ガイドライン2010 年版』(日本鼻科学会)
『慢性副鼻腔炎』(東京都健康長寿医療センター)
『副鼻腔気管支症候群』(日本内科学会雑誌)
『慢性咳嗽の病態,鑑別診断と治療―咳喘息を中心に―』(日本内科学会雑誌)
『耳鼻咽喉科領域の慢性咳漱』(耳鼻咽喉科臨床)

