心房粗動の治療
心房粗動の治療法は、症状の重症度や全身状態に応じて異なります。以下に代表的な治療方法を紹介します。
治療法 特徴や注意点
薬物療法
・心拍数を正常に戻すための抗不整脈薬(例:β遮断薬、カルシウム拮抗薬)
・心房の電気信号を安定させるための薬(例:アミオダロン、フレカイニド)
・血栓のリスクを減らすための抗凝固薬(48 時間以内の発症を確認できない場合、除細動前 3 週間、除細動後 4 週間の与薬が必要)
電気的除細動
(カーディオバージョン)
・電気ショックを用いて心臓のリズムを正常に戻す方法
・通常、麻酔下で行われる即効性のある治療法
カテーテルアブレーション
・心臓内の異常な電気経路を特定し、高周波エネルギーでその部分を焼灼する治療法
・通常、心房粗動の再発を防ぐために行われる
外科手術 まれに、心房粗動が薬物療法やカテーテルアブレーションで改善しない場合、外科的な治療が検討される
参考:2020 年改訂版不整脈薬物治療ガイドライン|日本循環器学会
心不全や心原性ショック、虚血性心疾患などが合併している場合は、麻酔を実施した後で電気的除細動が行われます。この処置により、心房粗動をすみやかに停止させ、脈拍や血圧などが安定します。
全身状態が重篤でなければ、抗不整脈を投与したり電気的除細動が行われます。
また、心房細動(AF:atrial fibrillation)と同じような要因で心房粗動は発症するため、治療によって心房粗動の症状がおさまっても、心房細動が起こることがあります。
心房粗動の治療は、個人により異なるため、専門医と相談の上、適切な治療法を選ぶことが大切です。
心房粗動になりやすい人・予防の方法
心房粗動は不整脈の一種であり、以下にあてはまる人は心房粗動の発症リスクが高まります。
高齢者
心疾患がある人
喫煙者
過度のアルコール摂取者
慢性的なストレスや不規則な生活を送っている人
年齢を重ねると、心臓の電気的な制御が不安定になるため、心房粗動のリスクが高まります。
また、高血圧や心不全、心筋梗塞などの既往歴がある人は、心房粗動のリスクが増します。心臓に負担がかかることで、不整脈が引き起こされやすくなるからです。
他にも、喫煙や大量のアルコール摂取、慢性的なストレスなどによって体調の乱れや睡眠不足が心臓の不整脈を促進することがあります。
心房粗動を予防するためには、健康的な生活習慣を維持し、リスク要因を適切に管理することが大切です。
とくに健康的な食生活と定期的な運動は、心房粗動の予防に役立ちます。塩分や脂肪分を控え、バランスの取れた食事を心がけることが重要です。
ストレスを軽減させるためのリラクゼーションや趣味を持つことも推奨されます。
関連する病気
虚血性心疾患甲状腺機能亢進症リウマチ性心疾患
心筋梗塞心不全参考文献
2020 年改訂版不整脈薬物治療ガイドライン|日本循環器学会
不整脈|国立研究開発法人国立循環器病研究センター

