血液検査の項目は体の何を診ている?メディカルドック監修医が項目ごとのわかることや基準値・異常値、そして発見できる病気などを解説します。

監修医師:
木村 香菜(医師)
名古屋大学医学部卒業。初期臨床研修修了後、大学病院や、がんセンターなどで放射線科一般・治療分野で勤務。その後、行政機関で、感染症対策等主査としても勤務。その際には、新型コロナウイルス感染症にも対応。現在は、主に健診クリニックで、人間ドックや健康診断の診察や説明、生活習慣指導を担当している。また放射線治療医として、がん治療にも携わっている。放射線治療専門医、日本医師会認定産業医。
血液検査とは?
血液検査は、体内の臓器の働きや病気の有無を調べるための基本的な検査です。採取した血液を分析することで、赤血球や白血球、血小板の数値から貧血や感染症の兆候を、また肝臓や腎臓などの機能を評価することができます。健康診断や人間ドックではほとんどの人が受ける検査であり、病気の早期発見に欠かせません。
血液検査の項目は全部でいくつある?
血液検査は、血液学検査(血球系検査)、生化学検査、免疫血清学検査、電解質、感染症、凝固系検査などの分野があります。血液検査の目的には、健康診断の一環、何らかの症状があり原因究明のため、などさまざまなものがあります。
健康診断や人間ドックでの項目としては、以下のようなものがあります。
検査分野 検査項目
血液学検査 白血球数、ヘモグロビン、ヘマトクリット、赤血球数、赤血球指数、血小板数
生化学検査 総蛋白、アルブミン、クレアチニン、尿酸、HDLコレステロール、non-HDLコレステロール、LDLコレステロール、中性脂肪、AST(GOT)、ALT(GPT)、γ-GTP、コリンエステラーゼ、LDH、空腹時血糖、HbA1c
免疫血清学検査 CRP
電解質 ナトリウム、カリウム、塩素
感染症 HBs抗体、HCV抗体
この場合は、30項目ほどが調べられます。また、人間ドックなどでは腫瘍マーカーもオプションでつけられるケースもあります。
入院などの際には、これらに加えて凝固系検査が追加されることもあります。
なお、労働安全衛生法に基づく定期健康診断では、以下が採血項目となっています。
貧血検査(ヘモグロビン、赤血球数)
肝機能検査(AST(GOT)、ALT(GPT)、γ-GTP)
血液脂質検査(HDL・LDLコレステロール、中性脂肪)
血糖値
そのため、約10項目を基本として、そのほかにはオプションや各企業などで独自に行われる項目が追加されると考えられます。
血液検査で全ての項目を受けた場合の費用
血液検査の費用は、項目数と保険適用かどうかによって異なります。
健康診断や企業検診では、一律の料金に含まれていることが多いです。健診または検診の費用としては、3,000〜6,000円程度が一般的でしょう。医療機関で体調不良を訴えて検査する場合は保険が適用され、3割負担の場合には、自己負担は1,000円前後になります。
しかしながら、アレルギー検査など自費で全項目を受ける場合は1万円前後かかることもあります。
血球系の血液検査項目
血球系の検査項目には以下のようなものがあります。
血液検査の項目名とわかること
項目名と、意味することは以下のようになります。
項目名 内容・わかること
赤血球(RBC) 酸素を運ぶ細胞。数が少ないと貧血、多いと多血症が疑われます。
ヘモグロビン(Hb) 赤血球に含まれる酸素運搬タンパク質。低値で貧血、高値で脱水が考えられます。
白血球(WBC) 体を守る免疫細胞。高値なら感染症や炎症、低値ならウイルス感染や骨髄抑制の可能性あり。
血小板(PLT) 出血を止める働き。低下すると出血傾向、高値で血栓リスクあり。
ヘマトクリット(Ht) 血液中の赤血球の割合。脱水や貧血の目安になります。
血球系の検査項目はこれらのような意味合いを持っています。
血液検査項目ごとの基準値・異常値
これらの血球系の項目の基準値と、精密検査の対象となるような異常値は以下のようになります。
項目名 基準値 異常値
赤血球(RBC)
男性:430-570×104/μL
女性:380-500×104/μL
赤血球系の異常については、ヘモグロビンを指標とします。
ヘモグロビン(Hb)
男性:13.1-16.3 g/dL
女性:12.1-14.5 g/dL
男性:12.0 g/dL以下、18.1 g/dL以上
女性:11.0 g/dL以下、16.1 g/dL以上
白血球(WBC) 3.1-8.4×103/μL 3.0×103/μL以下、10.0×103/μL以上
血小板(PLT) 14.5-32.9×104/μL 9.9×104/μL以下、40.0×104/μL以上
ヘマトクリット(Ht)
男性:39.8-51.8%
女性:33.4-44.9%
Ht単独で評価されることは一般的には行われておらず、同時に測定されている赤血球指数(MCV、MCH、MCHC)、特にMCVを求め、総合的に判断する必要があります。
これらの基準は、医療機関によっては多少異なることがあります。

