インプラント治療後のマウスピースを使用するときのポイント

特に歯ぎしりや食いしばりの癖がある方は、寝ている間に強い圧力がインプラントに加わるとされており、これが損傷や緩みの原因になることがあります。就寝中のマウスピース使用は、こうした無意識の力からインプラントを守る大切な習慣です。また、日中でも無意識に歯を噛みしめてしまう方や、デスクワークやスポーツ時に力が入りやすい方は、日中用マウスピースの使用がおすすめです。マウスピースの使用頻度やタイミングは個人の噛み癖や生活習慣によって異なるため、歯科医師に相談し、自身に合った使用スケジュールを決めることが大切です。 マウスピースのお手入れ方法を教えてください マウスピース(ナイトガード)はお口のなかに直接触れるため、毎日の洗浄と正しい保管が欠かせません。使用後はすぐに流水で軽くすすぎ、やわらかい歯ブラシで汚れを優しく落としましょう。
熱湯を使うと変形する恐れがあるため、ぬるま湯が推奨されます。
また、研磨剤入り歯磨き粉は傷の原因となるため使用を避けましょう。さらに、週に数回は専用の洗浄剤を使うことで、目に見えない細菌や臭いの原因を除去できます。
使用後はしっかり乾かし、通気性のある専用ケースに保管しましょう。湿った状態でしまうと、カビや細菌が繁殖しやすくなります。さらに、マウスピースは時間とともに摩耗したり、ひびが入ったりすることがあります。 インプラントの定期メンテナンス時に状態をチェックしてもらい、必要に応じて新しいものと交換しましょう。 マウスピース使用時に痛みがある場合の対処法を教えてください マウスピース(ナイトガード)を初めて使用すると、軽い圧迫感や違和感を覚えることがありますが、数日〜1週間程度で慣れる場合がほとんどだといわれています。そのため、強い痛みが長く続く場合は、マウスピースが歯や歯茎に合っていない可能性があります。
硬すぎる素材を使用している場合や、噛み合わせ部分のズレによって局所的に圧力がかかると、歯や顎に負担がかかりやすくなります。違和感や痛みを感じる際は、無理に使い続けず歯科医師に相談しましょう。わずかな調整で痛みが改善する場合もあります。
また、慣れるまでは装着時間を短くし、徐々に使用時間を延ばすと違和感の軽減につながります。
編集部まとめ

ここまでインプラント治療におけるマウスピースについてお伝えしてきました。
インプラント治療におけるマウスピースの要点をまとめると以下のとおりです。
マウスピースを使用するメリットは、噛む力を分散しインプラントや周囲骨への負担を軽減する役割を持つほか、歯ぎしりや食いしばりを予防し、インプラントの緩みや破損を防ぐ効果が期待できる点などが挙げられる
マウスピースのデメリットには、製作費用や調整に通院が必要で、経年劣化により作り替えが生じる可能性がある。また、装着初期は厚みや圧迫感に違和感を覚える場合があり、加えて清掃を怠ると細菌が繁殖しやすく、口腔環境に悪影響を及ぼす恐れがあるため、日々の手入れが必要
マウスピースは毎晩の装着が基本であり、特に歯ぎしりや食いしばりがある場合は就寝時の使用が重要である。使用後はぬるま湯で洗浄し、乾燥させて清潔に保管し、痛みや強い違和感が続く場合は、無理に使用せず歯科医師に相談して、調整を受けることが望ましい
インプラントを長持ちさせるためにも、正しいマウスピース(ナイトガード)の使用方法や知識を深めましょう。
これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

松浦 明歯科医師(医療法人 松栄会 まつうら歯科クリニック)
出身大学:福岡歯科大学 / 経歴:1989年福岡歯科大学 卒業1991年松浦明歯科医院 開院2020年医療法人松栄会まつうら歯科 理事長就任 / 資格:厚生労働省認定研修指導医日本口腔インプラント学会認定医ICOI (国際インプラント学会)Fellowship認定医 / 所属学会:ICOI(国際口腔インプラント学会)日本口腔インプラント学会日本臨床歯科学会(SJCD) 福岡支部 理事日本顎咬合学会 会員 日本臨床歯科CAD/CAM学会(JSCAD)会員
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