猫用おやつよりも葉物野菜が好きな“変わらない個性”が愛くるしい
この子は、大麦になる――。そんなお父さんの予言通り、むぎくんは、がっちりとした体格に。しかし、内面は変わらず、暴れん坊。気に入ったおもちゃは遊び倒して破壊し、飼い主さんが帰宅すると、興奮して突進したり足に噛みついたりします。
「食いしん坊なところも変わりません。『ごはん!』と声をかけると、絶叫しながら突進してきます。1時間前からご飯の催促をされるので、適正量のフードを1日に4回に分けてあげています」食の好みは個性的で、なぜか猫用おやつよりも葉物野菜が大好き。飼い主さんがキッチンでレタスやキャベツを洗っていると、盗みにやってきます。
なお、甘えん坊なところも変わっていません。むぎくんはめったに喉を鳴らさず、べったりくっつくこともありませんが、家族の姿が少しでも見えないと「アオーン!」と大声で鳴くのだとか。「ただ、嫌なことは嫌だと自己主張するようにはなりました。爪切りをすると噛みつき、動物病院では大暴れします(笑)」
実は内弁慶な愛猫…命の恩人であるお父さんとの仲は…?
そんなむぎくん、実は内弁慶。知らない人が来ると、冷蔵庫の上で固まります。
ただ、命の恩人であるお父さんのことは認知しているよう。飼い主さん宅に迎えられてから、まだ2回しか再会できていませんが、どちらの時もわりと早く警戒心を解き、スリスリしたり、ナデナデを許可したりしていたのだとか。
「外での生活は、常に危険や飢餓と隣り合わせ。あのまま外にいたら、むぎは人知れず命を落としていたかもしれません。色々な偶然が重なり、出会えて本当によかった。むぎとの生活は、毎日が幸せでいっぱいです」できるだけ自由に楽しく、長生きしてほしい。いつか、むぎが歳をとって、どんな姿になっても最期まで向き合い、愛し続ける――。大好きだった実家猫の看取りを経たからこそ、飼い主さんはそう強く誓い、かけがえのない命を優しく見守りつづけています。
深い猫愛に包まれながら、自由気ままな日々を楽しむむぎくん。その生活が、これからも豊かなものでありますように。<取材・文/愛玩動物飼養管理士・古川諭香>
【古川諭香】
愛玩動物飼養管理士・キャットケアスペシャリスト。3匹の愛猫と生活中の猫バカライター。共著『バズにゃん』、Twitter:@yunc24291

