●無断録音も原則として問題なし
──相手の承諾を得ない「無断録音」はどうでしょうか。
無断で録音した場合でも、基本的な評価はさほど変わりません。
例外として、「録音しない」と相手に明言したうえで、こっそり録音したようなケースは、相手方に対する信義にもとると言えなくもなく、その意味で、事情によっては違法と判断されるかもしれません。
ただし、一般的には無断録音だけで、ただちに違法という扱いにはなりません。
●削除を求められても「法的義務」はない
──弁護士など相手側から「録音を消してほしい」と言われた場合、法的に応じる義務はありますか。
これまで説明してきた通り、録音自体が違法でない以上、相手が録音していることに気づいてデータの削除を求めてきたとしても、法的に応じる義務まではないと考えられます。
【取材協力弁護士】
今井 俊裕(いまい・としひろ)弁護士
1999年弁護士登録。労働(使用者側)、会社法、不動産関連事件の取扱い多数。具体的かつ戦略的な方針提示がモットー。行政における、開発審査会の委員、感染症診査協議会の委員を歴任。
事務所名:今井法律事務所
事務所URL:http://www.imai-lawoffice.jp/index.html

