義母の滞在は延びるばかりで、夫に対する義母の愚痴はエスカレートするばかり。ウソばかりの不満でも、勝也は「母を否定できない」と無関心な態度を貫き、愛子の心は限界に達します―――。
義母の愚痴はすっかり習慣化
義母が滞在し始めてから、もう3週間が経とうとしていました。当初は2週間で帰るという話だったはずなのに「陸人くんともっと一緒にいたいから」という一言で、勝也は簡単に義母の滞在を延長させてしまいました。
そして、夫に対する「嫁の愚痴」も、すっかり習慣化してしまったようです。私はもうウソばかりの不満を聞いても、なんとも思わないほど無の境地に達していました。
「愛子さ、母さんの荷物見て『ゴミみたい』って言ったんだって?」
「はぁ?今度はなに? 私はお義母さんが使ってる部屋にすら入ってないよ、荷物は見てもない」
「そうなの?母さん、愛子が薄ら笑いながらバカにしてくるって、すごい傷ついた様子だったよ」
勝也は私の言い分を聞いているようで、最初から義母の方を信用している気持ちがにじみ出ていました。私が否定しても、きっと信じてなんかいません。義母の愚痴はまさにすべてが「でっちあげ」なのに。
夫は義母の全面的な味方
もうわたしは完全に義母に対する人間不信に陥っていました。
昼間、義母とリビングで陸人の世話をしている時。義母が優しい笑顔で陸人に話しかけているのを見ても「今日はどんな愚痴をでっちあげる気なんだろう」と、疑心暗鬼になります。
義母が私の失言やあくどい行動をでっちあげるのは、おそらく義母から私への嫉妬心ではないかと思います。夫が私の料理を「おいしい」と褒めたり、夫婦で晩酌したりしていると、義母はとても不快そうな顔をすることがあるのです。夫はもう成人して、そして世帯を持った大人なのに、義母にとってはいつまでも「私の息子」なのでしょう。
そして夫自身も、もう自分の家庭を持っているにも関わらず、親離れができていません。私がいくら事実無根を訴えても、こう言います。
「母さんは俺のために本当に苦労したんだ。俺は母さんを裏切れないよ」
「裏切れなんて言ってないよ。ウソをついてまで私を悪者にするお義母さんの言動を、勝也がちゃんと止めてほしいって言ってるだけ」
「止めるって言っても…。母さんは本当に何か不快に思ったのかもしれないから…」
もう話になりません。完全に「義母サイド」にしかつかない夫に、もう頼ることはできないと思いました。

