大雨前に“排水溝のつまり“を解消して家を守る! 家庭の防災チェック

大雨前に“排水溝のつまり“を解消して家を守る! 家庭の防災チェック

写真:PIXTA

気候変動の影響で、下水道の処理能力を超えるような大雨が増えています。この記事では、大雨の際に家を排水のトラブルから守るためのポイントをご紹介します。

排水溝が詰まることのリスク

家の排水設備が詰まると、大雨時に浸水や雨漏りが発生するリスクが高まります。また、屋内にある排水口の詰まりも、下水管の排水能力を下げる遠因となります。

ここからは屋内外の場所ごとに、詰まりの原因や対処法をみていきましょう。

屋外:側溝・集水ます・ベランダ

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水はけを良くするために家の敷地内に設けられた側溝には、知らず知らずのうちに落ち葉や木の枝、泥、砂、ペットの毛などが流れ込み、堆積していきます。放置しておくと排水能力が低下し、敷地内の水はけが悪くなるため定期的な清掃が欠かせません。

小さなマンホールのような見た目の集水ますには、家庭から排出される汚水を集める「汚水ます」と、雨水を集める「雨水ます」があります。汚水ますには石けんのカスや毛髪などが、雨水ますには泥などがそれぞれ蓄積し、詰まりの原因になります。そのため、年に1度はフタを開けて点検しましょう。

ちなみに、住宅によってはコンクリート製の四角いますが設置されている場合もあります。

ベランダには雨水を流すための排水口があります。ゴミが流れないようにする網状のストレーナーが落ち葉などでつまると、大雨のときにベランダがプールのようになり、掃き出し窓の高さを超えて浸水することがあるので、掃除を欠かさないようにしてください。

屋内:キッチン・洗面台・浴室・洗濯排水

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キッチンのシンクから流れた油汚れや野菜くず、浴室の排水口から出る毛髪や石けんカスは、家の汚水ますを詰まらせます。

そして、その先にある下水管にも堆積することで排水能力を低下させる場合も。大雨時には雨水とともに河川に放出されることがあり、水質汚染の原因にもなります。調理油はシンクに流さず紙で吸い取るか、専用の凝固剤などを使って処分してください。また、排水口にはネットをつけ、野菜くずなどのゴミを流さないようにしましょう。

洗面台や浴室の排水口にあるストレーナーのゴミを取り除いていても、すり抜けた毛髪などにより排水管がつまることがあります。ラバーカップで吸い取る、ワイヤーブラシで削り取る、毛髪を溶かす洗剤を使うなどの方法で手入れすることをおすすめします。

その他、洗濯機の排水口にも細かな繊維ゴミや髪の毛がつまります。排水エラーの原因にもなるので、定期的に掃除をしてください。

雨どい(軒どい・縦どい・集水器)

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雨どいは、屋根から流れ落ちる雨水を受け止める「軒どい(横どい)」、地面に流す「縦どい」、軒どいから水が集まる「集水器」という3つのパーツで構成されています。

落ち葉や土砂などのゴミが詰まると、軒どいのあちこちから雨水が滝のように流れて外壁が傷みやすくなり、塗装のひび割れから水が浸み込むことにより雨漏りの原因になります。

近年は雨どいの改良化が進み、昔よりも落ち葉などが入りにくい構造も取り入れられていますが、コケや鳥の巣などが詰まりの原因になることもあります。

雪解けの時期や降水量が増える梅雨の前など、季節に1回程度、もしくは少なくとも年1回程度は雨どいが詰まり水が溢れていないか、目で見て点検しましょう。

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配信元: 防災ニッポン