大雨前日のチェックポイント
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台風の接近などで大雨が予想されている場合も、可能なら事前に排水設備を点検することが大切です。
家まわり・ベランダの排水口を掃除
家の周囲を掃除し、排水溝を詰まらせるゴミをあらかじめ取り除いておきましょう。排水溝や集水ますに堆積している泥は、シャベルやスコップですくい、市区町村の処分方法にしたがって捨ててください。泥の中にガラス片などが混入していることもあるので、掃除は素手で行わずゴム手袋を着用しましょう。
また、ベランダの排水口も点検して落ち葉などのゴミを取り除いたのち、ストレーナーをしっかりとセットし直してください。排水口に向かって水が流れるベランダの溝をプランターなどで塞がないようにしましょう。
雨どい・集水器の落ち葉除去
軒どいや集水器に落ち葉などのゴミが詰まっていたら、トングなどを使って取り除きます。作業時には、ケガをしないように軍手を着用してください。雨どい掃除用の柄の長いブラシも市販されています。
脚立やはしごを使っての作業は危険を伴うので、安全を配慮して二人一組で行ってください。また、2階以上の屋根に設置された雨どいの掃除は危険です。難しい場合は、無理をせず業者に依頼しましょう。
道路の側溝・グレーチングの清掃
道路わきの側溝は、公道であれば自治体の管理下にある場所ですが、日常的な掃除は地域住民が担う場所です。グレーチング(鉄製の格子状になったふた)をふさぐようなゴミがあれば、取り除いておくと水はけが良くなります。
清掃する際には側溝に押し込まず、ほうき、ちりとり、トングなどを使って集めましょう。
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大雨当日の対応方法
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大雨が降っているときは、自分自身の安全を第一に考えて行動してください。
道路の側溝に近づかない
大雨で道路わきの側溝があふれているときは、ふたが外れていても分かりにくく、落ちて流される危険があります。増水の様子が心配でも、近づかないようにしてください。
玄関、窓、床下換気口の止水
浸水の危険時には、玄関のドア、ガレージのシャッター、一階の掃き出し窓などに止水板や土のう・水のうを設置して、水の侵入を防ぎましょう。
水のうは、二重にしたゴミ袋に水を入れて作ることができます。段ボール箱に水の入ったゴミ袋を入れると運びやすく、ドアや窓にぴったりとつけて置くことで段ボールが簡易的な止水板となります。道路との段差が少ないガレージは浸水の危険が高く、早めの対策が重要です。
また、市区町村が止水板の設置工事の費用補助を行っている場合もあります。自治体によって「過去に浸水したことのある家」「半地下ではない」などの諸条件があるため、事前に確認してください。
その他、床下には家に湿気がこもらないよう換気口が設けられています。床下浸水の対策として、換気口に張り付けて使うマグネットタイプの止水シートも市販されています。
トイレ・床排水の逆流対策
大雨で下水管がいっぱいになると、家の中にある排水口から汚水が逆流することがあります。特に1階のトイレ、浴室、洗濯の排水口は地面に近く、逆流が起こりやすい場所です。また、高さのあるキッチンのシンクや洗面台から逆流することもあります。
「ゴボゴボ」という音がする、下水の臭気があるなどの異変は、下水管が満水になっているサインです。その際には水の使用は控えましょう。
ゴミ袋に水を入れて水のうを作り、便器の中や排水口の上に乗せると、逆流防止になります。
電気の浸水を避ける
エアコンの室外機は雨風に耐えられるように設計されていますが、浸水すると故障の原因となります。ブロックなどを下に敷いてかさ上げをし、水に浸かることを防ぎましょう。庭のソーラーライトや、排水ポンプ用の発電機なども浸水しない場所に避難させてください。
電気製品が水につかると、故障だけでなく感電する危険もあります。床上浸水の恐れがあるときは、電源タップや延長コードを高い場所に避けましょう。コンセントの高さまで浸水しそうであればブレーカーや電気製品の電源を落とし、プラグを抜きましょう。
また、道路の冠水時は膝上くらいの深さでも避難は困難です。浸水するペースが速い時は何よりも命を優先し、自宅や近くの建物の2階以上へ避難してください。
