
コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョンマンガ部」。今回は、漫画『わたしはやさしくなりたいっ』(原作:薄宮さん、漫画:日々曜さん)を紹介する。本作は、サイト「コミックDAYS」で掲載中の読切漫画『ミライへ すみません…』(講談社刊、原作:薄宮さん、漫画:日々曜さん)で知られる日々曜さんが、8月23日に「親友を取り戻せ!」と添えてX(旧Twitter)に本作を投稿したところ、3000件を超える「いいね」やコメントが多数寄せられた。本記事では、薄宮さんと日々曜さんのお2人にインタビューを行い、創作の裏側やこだわりについて語ってもらった。
■自分の下の名前を呼ぶ女の子は、学生時代を共にした友人

映画館でアルバイトをしている私は、ある時知らない男の子を連れた女の子に下の名前で声をかけられる。突然のことに反応できずにいたが、すぐに彼女が“自分の初めてできた真逆の友達”だと気づいた。
その後、私は学生時代の彼女とのことを思い返す。性格が真逆でこれまでの交友関係では有り得ないことが多く起き、喧嘩や恋愛話、花火などをして、さまざまな時を共にした2人。しかし私が音信不通になり会わなくなってしまった。そんな私に、映画館で再会した彼女はある言葉を贈る。その後それを受けとった私は、あることを決意し…。
この再会を描いた漫画を読んだ人たちからは、「涙が止まらなくなってしまった」「すばらしい青春の話だ」「共感し過ぎて心に沁みた」「絵も物語も空気も全部好き」など、多くのコメントが寄せられている。
■原作の薄宮さんと漫画の日々曜さんに、創作へのこだわりをインタビュー

●原作・薄宮さん
――本作のお話の発想の源はどこだったのでしょうか?
今回の作品はわたしの日記を日々曜さんに漫画として昇華して頂いたものなのですが、わたしの発想の源としたら、基本的には情けなさの中にある喜びかなあと思います。いろんなことを流して生きていて 数ある事実の中で特に驚いたいつも通りの日常でした。だから、書いておこう、という発想に至ったのかなと思います。
――特に気に入っているシーンやセリフがあれば、理由と共にお教えください。
1番最後のコマがお気に入りです!理由は、お腹を抱えて笑ったりした時、たしかにこんな風に、そのあと部屋に入ったら全部真っ暗に見えるような空の眩しさで そのときだけよく見える瞬間のおかしさってあるよなあと思えたからです。
――今後の展望や目標をお教えください。
目標とか、こうなりたいっていうのが小学生の時から無くて、みんながふんわりぼんやり羨ましくて、すぐ夢も実行しないまま仰向けに目移りします。でも、結果的には、自分になりたいかもしれないです。自分をやるということを、がんばりたい。大人になってもなりたいがない自分がずっと続き どこかフワフワとした気持ちなのですが、どんなに不格好になっても、なにかを継続することがわたしの夢です。続けてさえいれば、たまに神様がこうしてご褒美をくれるのかなと思います。なくなっていく思い出を捉えたり流したりして、これからもこれからを、ゆっくり続けたいと思っています。
――作品を楽しみにしている読者へメッセージをお願いします!
漫画を見てくださり、ありがとうございます!わたしのただの思い出を、日々曜さんのお陰でこのように漫画化して頂き、こんなに素敵な絵としてみんなの記憶と会えたことが、本当に有り難いです。また、ぼちぼちとなにかをやっていけたらと思います。よろしくお願いします!
●漫画・日々曜さん
――本作では、“わたし”の感情が揺さぶられる表情が印象的でした。本作を描いたうえで「こだわった点」あるいは「ここに注目してほしい!」というポイントがあればお教えください。
最もこだわった点は、薄宮さんの原作(日記)に忠実な作品に仕上げることです。その中で、表情を忠実に描くことは難しく、悩みながら描きました。また、出来るだけ多くの読者に届くように、普遍的でシンプルな画面構成となるように意識しました。そこも注目していただけると嬉しいです。
――特に気に入っているシーンやセリフがあれば、理由と共にお教えください。
全編気に入っているので、一部を抜き出すのは難しいですが、セリフを含む全編の文章が、最初から最後までリズム感を持って心地よく読めるのは、すごいなと思います。
――今後の展望や目標をお教えください。
現在、「ヤングキング」(隔週青年漫画誌)にて連載中の『神街めくるめく』(少年画報社刊)という作品の脚本を担当しており、そちらに注力していく事が当座の目標ですが、薄宮さんとの作品もチャンスがあれば、またいつでも作らせてもらいたいと思っています。
――作品を楽しみにしている読者へメッセージをお願いします!
楽しんでもらえて、本当に嬉しいです!また一緒に楽しみましょう!

