足首や膝に負担をかける歩き方を続けていると、体のさまざまな箇所に痛みが生じ、最後には歩けなくなることも……。
(本記事は、稲村崇監修『痛み・体調不良すべて解消できる 超歩行』より一部を抜粋し、再編集しています)
日々のウォーキングには多くのメリットがある
ウォーキングは、私たちの日常生活に取り入れられる手軽な運動でありながら、心身の健康に多岐にわたる影響を与えます。そのメリットとしては、下図のようなことがあります。
① 心臓や血管の健康促進② 血糖値のコントロール
③ 肥満の予防
④ 骨と筋肉の強化
⑤ 精神的な健康とストレス軽減
⑥ 認知機能の維持・向上
⑦ アンチエイジング効果
関節痛や炎症・病気を誘発するウォーキングのデメリット
ウォーキングには、こうした多くのメリットがある一方で、その潜在的なデメリットも知っておくことが大切です。特に知っておいた方がよいのが「足の関節への負担」です。現在主流となっている「かかとで着地し、つま先で蹴る」というウォーキングの歩き方では、かかとや足の親指(母ぼ趾し)に強い衝撃を与えてしまうため、これを長い時間続けると、膝や股関節、足首に過剰な負担をかけ、足首痛、膝痛、腰痛などの関節痛や炎症を引き起こす可能性があります。
特に誤ったフォームでのウォーキングや、過度に長距離・長時間のウォーキング、舗装された硬い地面でのウォーキングなどは、とりわけ衝撃が大きいため注意が必要です。こうした被害を防ぐために、シューズメーカーはスニーカーのかかと部分にクッションを入れるなどして、足への衝撃を減らしています。それだけではなく、この「かかとで着地し、つま先で蹴る」方式のウォーキングは、かかとの骨が内側に倒れ込む「過剰回内」を引き起こし、それが原因となって、扁平足、外反母趾、足底筋膜炎、アキレス腱炎、モートン病、タコ・魚の目など、様々な病気を誘発する、非常に危険な歩き方です。
しかも、こうした病気による痛みや炎症などで歩くことをやめてしまうと、それが死亡リスクを高めてしまうことになります。

