映画、ドラマ、CMなど数多くの作品で活躍している俳優の我妻三輪子さん。我妻さんは2019年に女の子を出産後、前夫との離婚を経て、2023年に俳優・中川晴樹さんと再婚。ステップファミリーという家族のかたちを選択しました。今回は我妻さんに、家族について特別インタビュー。娘への想い、夫への想い、どのように家族のかたちを作ってきたのか伺います。
何があっても娘最優先。家庭内での話し合いを大切にしている

ーーステップファミリーとしての生活が始まった時、どのような気持ちでしたか?
我妻:大好きな人と家族になれたことはとても幸せな一方で、娘のことを考えると、正直、ワクワクより不安の方が大きかったです。もちろん段取りも考え、準備は完璧と言えるくらいしていました。娘と夫の関係も、小さく一歩一歩、着実に積み上げてきたつもりではいました。それでもやっぱりすごく不安で。娘の人生に大きく関わることなので「私が勝手に家族のかたちを決めてしまって良かったのだろうか?」と、今でも考えることはあります。
ーー準備というのは、どのようなステップを踏んでいったのでしょうか?
我妻:夫(当時は彼)と娘を最初に会わせたのは4歳の時でした。公園で「たまたま会った」という設定にして一緒に遊びました。「ママの恋人だ」と思って会わせると緊張しちゃうかなと思って。そこからは娘と夫ががんばって距離を縮めていってくれて。
でも、全てがスムーズに行ったわけではありません。3人で一緒に暮らし始めた当初、娘は「(夫と)一緒に寝たくない」と言っていて。夫はソファーで寝ていました。それでも夫は心折れずに娘と向き合ってくれたし、娘も徐々に夫からの深い愛情に気づいてくれて。今では心がもう通っていて、喧嘩するくらい仲が良いです。
ーー新しい家族の関係を築く上で、大切にしたことは?
我妻:娘最優先で考えることですね。初めての結婚で初めての育児を経験する夫のこともなるべくケアしてあげたいと思っていたのですが、そこまで手が回りませんでした。とはいえ、なるべく夫の心にも寄り添うように努めています。
例えば、毎日の「良かったこと」「嫌だったこと」を家族内で報告し合っています。あとは夫が婚約中から育児日記を書くようになって。娘の忘れたくない行動とか発言とかを書き留めてくれているんです。それを後から見返して「こんなことがあったね」と家族で思い出しては共有し合うことも。娘も字が書けるようになってからは、毎晩日記を書いていて。その日記がジャーナリングのように心の中を吐露できるような場所になればと思っています。

ーーいきなり4歳の娘さんの育児が始まるのは、覚悟が必要なことですよね。
我妻:夫はすごく大変だったと思います。最初のうちは夫からしたら「わからないことがわからない」状態。ずっと夫婦で娘に関することの会議をしていました。ただ、夫は親向きの性格だなとも感じます。家事のスキルは高いし、完璧主義でちょっと潔癖なところも(笑)。例えば娘の人形を洗う時、髪の毛にシャンプーとトリートメントまでするんですよ!それが習慣になっていて苦じゃないし、なんならそういった丁寧な作業が好きなタイプなんです。だから、娘への愛情も行動に出やすい。娘にも伝わりやすいんじゃないかなと思います。
夫婦といえど「素敵な人に見られたい」という気持ちを忘れない
ーー夫婦のコミュニケーションで大切にしていることは?
我妻:私は離婚経験もあるので、結婚したからといって永遠が約束されるわけじゃないと、身にしみています。お互いが努力をしないと、永遠は成立しない。なので、夫婦間でも礼儀をとても大切にしています。

ーー夫婦間の礼儀とは、例えば?
我妻:夫は家事を全部やってくれるタイプなので、感謝を毎日伝えることは忘れないようにしています。そして「ごめんなさい」もなるべく早めに言う。難しいんですけどね(笑)。
あと、デートの時間もとるようにしています。結婚していきなり家族になったので、2人の時間が少なかったこともあって。夫婦でお休みが合えばなるべくデートするようにしています。その時はめいっぱいおしゃれするようにしていますよ。喫茶店でお喋りしたり本を読んだり、映画を観たりしているだけなんですけどね。ちなみに映画館では、最初から最後までずっと手を繋いでくれています。
ーー素敵すぎます!夫婦といえど、ちゃんと恋人の気持ちを忘れない、ということですよね。
我妻:そうですね。普段はどうしても育児の話ばかりになってしまうので、デートの時はなるべく違う話をするようにしています。共通の趣味がラジオなので、同じ番組を聞いて、感想を言い合うとか。
「愛されてる」という現状に甘えないで、努力はし続けるようにはしたいなって思っています。お互い素でいられる関係も素敵ですが、ちょっと緊張感がある関係の方が、私は向いていると思っていて。相手に嫌われたくないとか、かわいく見られたいとか、素敵な人に見られたいっていう気持ちを忘れないようにしています。

