猫にとって『ドライフルーツ』が危険な理由3つ 命に関わる可能性も?

猫にとって『ドライフルーツ』が危険な理由3つ 命に関わる可能性も?

1.特定の有害成分による中毒

いろいろなドライフルーツ

ドライフルーツの原料となる果物の中には、猫にとって中毒を引き起こす危険な成分を含むものがあります。

これまで犬での死亡例が複数報告されている「ぶどう」は、猫は犬と体の構造が似ていることから同様に害があるとされています。とりわけ、成分が濃縮されているレーズンは、急性腎不全を引き起こし、命に関わるといわれています。

また、柑橘系の皮(オレンジピール・レモンピールなど)は焼き菓子によく使用されますが、リモネンという有害物質が下痢や嘔吐、痙攣、ひどいときには意識障害などの中毒症状を起こします。

そのほか、イチジクやマンゴーも猫が食べると口内炎や嘔吐、下痢などの症状が出る可能性があります。いずれのフルーツにも危険性があると考えて、注意が必要です。

2.濃縮糖分による便の異常

トイレに入る猫

ドライフルーツは製造過程で水分が抜けているため、生のフルーツよりも同じ量あたりの糖分(果糖)がかなり濃縮されています。急激な高濃度の糖分摂取は、猫にとって病気を引き起こすリスクも高まります。

ドライフルーツのように高濃度の糖分が小腸に流れ込むと、小腸内の浸透圧が急激に高まります。すると、この浸透圧を調節し体液とのバランスを取るために、大量の水分が体内から腸管内へ引き込まれます。その結果、便の中の水分量が増えて下痢や軟便を引き起こすのです。

これは、猫の苦手成分や中毒とは異なり、単に糖質の過剰摂取による物理的な反応です。糖分を濃縮したドライフルーツは、猫が誤食した際にこの浸透圧性下痢を引き起こすリスクが高い食品といえます。

ドライフルーツ自体が食物繊維を多く含み硬いため、消化に悪いことも下痢や軟便につながりやすい食品である原因の一つです。

実際に猫が日常的にドライフルーツを大量に食べるケースは多くないので、慢性的な糖尿病よりも浸透圧性の下痢や軟便のほうが比較的起こりやすい傾向にあります。

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