猫が思う「快適に過ごせる環境」とは?
猫にとっての「快適さ」とは、私たち人間が思うように、ただ清潔で広い空間を指すものではありません。猫は本能的に「安心安全で自由に行動できる」環境を求めているのです。
たとえば、外敵から見つかりにくい高い場所や、ひとりになれていざという時に身を隠すこともできるような狭いスペースは、猫にとって精神的な安定をもたらします。
さらに、温度や湿度、音、匂いといった要素も重要で、人が快適だと感じる環境が猫にとってはストレスになることも。猫が自分のペースで動けて、自由に過ごす場所を選べる家こそが「居心地のよい家」と言えるのです。
猫が居心地よく暮らせる家に必要な条件7つ
猫が快適だと感じる環境がどんなものかを知ったところで、具体的にどのような家が「居心地のよい」と思ってもらえるのかを見てみましょう。
1.安心して身を隠せる場所がある
猫は狩りをして生きる動物で、狩られる側の本能も持っています。いつ外敵から狙われるか分からないことから、安心できる「隠れ場所」は欠かせません。押し入れの下や、キャットハウス、カーテンの裏など、姿を隠せる小さな空間を用意してあげましょう。できる限り、静かで人の出入りが少ない場所が理想です。
2.見晴らしの良い高い場所が確保されている
猫は高い場所に好んで登りますが、周囲を見渡して安心感を得られるためです。キャットタワーや棚の上など、部屋を見下ろせる位置を作ることでストレスを軽減できます。安全対策をしつつ、窓辺に登れる足場をつけるのもおすすめです。
3.温度・湿度が一定に保たれている
猫は寒暖差に弱く、特に冷えには敏感です。寒さから猫風邪を引いてしまうこともあるため、室温は20〜26℃前後、湿度は40〜60%を保ちましょう。フローリングが冷たくなる場合はカーペットやラグを敷くのも良いです。直射日光やエアコンの風が直接当たらない場所を選び、季節に合わせて寝床を調整してあげると快適に過ごしてもらえます。
4.静かで落ち着いた空間がある
掃除機やドライヤーといった大きな音や人の話し声、テレビの音などは猫にとってストレスの原因になります。家族の集まる場所とは別に、ゆったりと静かに過ごせる安心できる空間を確保してあげましょう。寝室や書斎の一角にベッドを置くだけでも十分居心地のよい場所になります。
5.トイレと食事の場所が分かれている
猫はキレイ好きな動物で、トイレとごはんの場所が近いと強い不快感を覚えます。ストレスから食欲不振や便秘、トイレを我慢して別の場所で粗相をするなど問題行動につながる可能性も。距離を取って設置することで安心して排泄や食事ができ、トイレの失敗も減少します。臭いがこもらないよう換気にも配慮しましょう。
6.爪とぎや遊び場が充実している
猫にとって爪とぎや遊びは本能を満たし、ストレスが発散できる格好の手段です。家具で爪を研がれないよう、麻縄や段ボール製の爪とぎを複数設置しましょう。おもちゃでの遊びは、心身の健康維持にも欠かせません。愛猫とのコミュニケーションを兼ねて一緒に遊ぶ時間を作ると良いでしょう。
7.飼い主との適度な距離感が保てる
猫は甘えたい時もあれば、静かに一人で過ごしたい時もあります。構いすぎず、放置しすぎず、猫のペースに合わせた距離を保つことが大切です。飼い主の気分で無理に抱っこせず、猫が自分から寄ってくるのを待ちましょう。猫の気持ちに寄り添うことは信頼関係構築の助けにもなります。

