
大泉洋主演、野木亜紀子脚本のドラマ「ちょっとだけエスパー」(毎週火曜夜9:00-9:54、テレビ朝日系/TVerにて配信)の第6話が11月25日に放送された。文太(大泉)たちのボスである兆(岡田将生)と市松(北村匠海)の“ボス”の正体が驚くべきものだった。(以下、ネタバレを含みます)
■野木亜紀子オリジナル脚本のジャパニーズ・ヒーロードラマ
同作は、ヒットメーカー・野木による完全オリジナル脚本のジャパニーズ・ヒーロードラマ。大泉演じる、人生詰んだどん底サラリーマンである主人公・文太が触っている間だけ心の声が聞こえるという“ちょっとだけ”エスパーになって世界を救うことに。
文太と暮らすことになる謎の女性・四季役を宮崎あおい、文太の仲間となる花咲か系エスパーの桜介役をディーン・フジオカ、レンチン系エスパーの円寂役を高畑淳子、アニマルお願い系エスパーの半蔵役を宇野祥平、文太らに接近する謎の大学生・市松役を北村匠海、文太らにミッションを課す会社社長・兆役を岡田将生が務める。
■兆を信じるべきか、戸惑う文太
文太らの前に現れた、市松、紫苑(新原泰佑)、久条(向里祐香)。兆いわく「未確認因子」の彼らも“ちょっとだけエスパー”だった。兆から「ミッションで1万人を救ってください」と言われていた文太だが、市松は文太たちのミッションのせいで1000万人が死ぬとして兆にだまされていると話す。どちらを信じていいのか分からなくなった文太は、市松らを呼び出して話し合いの場を設けた。
そこで久条が高校の同級生・八柳(小島藤子)の話をする。副業で「ミッションをやり遂げる」バイトをしていると久条に打ち明けた八柳。そのミッションは、「エスパーになれる薬を作る」ことだった。
ある日、八柳は久条にケースを預け、「全部片付いたら取りに来る」と言い残して去った。しかし、その数日後に八柳は亡くなった。久条が預かったケースを開けると、エスパーになれる薬=Eカプセルと手紙が入っていた。その手紙の内容から、久条は八柳の雇い主が兆だと指摘した。
久条の話を聞いて「ちょっとだけの世界で生きてきたからね、温度差がね…」と戸惑っていた文太。物語も“ちょっとだけ”のSFかと思いきや、一気に本格SFの兆しを見せることになった。
■文太が兆の体に触れると…
久条が探ろうとしていた兆の正体。終盤で驚くことが判明した。
文太たちの動きと同時進行で、文太のEカプセルを間違えて飲んでしまった四季が兆と会ったことで、自分の記憶に違和感を持ち始めた。たびたび見ていた悪夢に出てきた人物が文太ではなく、兆ではないか。そして兆によく似た“文人”という人物を思い出す。
「文人(ふみと)だから、文(ぶん)ちゃんって呼ぶ?」。文人は兆なのか。文太が“ぶんちゃん”ではないのか。四季は困惑して泣き叫んだ。四季が泣き疲れて眠ったところで、文太は兆のもとに向かった。
文太が「あんたが四季の夫で、“ぶんちゃん”なんだろ」と問い掛けると、何も答えずに立ち去ろうとする兆。文太は「待ってください」と肩に手を伸ばすと、その手が兆の体をすり抜けた。
もう一度試しても同じだった文太は、「エスパー?」と尋ねた。兆は「私にエスパーはありません」と否定し、「この姿は、立体映像です。私の実体は未来にある。2055年。ここから30年後」と明かした。
30年後の世界でタイムマシンは発明されていないが、過去にデータを送る方法は発見されたのだという。
■市松がボスとしていた「アイ」の正体が判明
兆は未来の人物。それは分かったが、正義か悪かという面での正体はまだ不明だ。予想をはるかに超える展開となってきたが、ラストはさらに驚かされた。
紫苑の父親である桜介が、紫苑を心配して市松に「二度と近づくな」と忠告。すると、桜介が触れていた市松が苦しみだした。桜介は花を咲かせるエスパーを発現しているが、その力が恐ろしい方向に増幅しているようだった。
驚きは、それだけではない。苦しむ市松が自分たちの“ボス”である「アイ」のことを思い返す様子が映し出された。あるとき、突然作業していたパソコンにチャット画面が立ち上がり、「I」という人物からメッセージが送られてきた。なんとその「I」は、2055年の市松自身と告げた。「アイ」は、英語で“私”を意味する「I」ということだったのだ。
冒頭、兆は市松のことを「のちの市松博士」と知っていた。兆の実体と、のちの市松が同じ未来に存在するわけだが、だとしたら両者が主張する亡くなるとされる人数の違いはどういうことなのか。そして兆と文人が同一人物であれば、若々しいままなのも不思議なところでもあるし、桜介の力の変化もどうなっているのか。
視聴者からは「謎が解けたかと思いきや、また新たな謎が」「謎が深まってる」「謎の絡み合いが絶妙」と、ちょっとだけじゃない超SF展開を楽しむ声が続々と上がっている。
※宮崎あおいの「崎」は正しくは「たつさき」
◆文=ザテレビジョンドラマ部

